松野官房長官もクギ!静岡水害「フェイク画像」拡散の大迷惑

 台風15号の影響で浸水など静岡県は大きな被害を受けているが、実際の被害とは異なる「画像生成AI」により作成された静岡の街が水没するフェイク画像がTwitter上で拡散され、物議を醸している。

「26日の午前4時過ぎに『ドローンで撮影された静岡県の水害。マジで悲惨すぎる…』というコメントとともに上空から水没した静岡と見られる街が写し出された3枚の画像が投稿されました。画像では住宅や道路などが冠水しており、被害の甚大さが見て取れましたが、建物の一部に不自然な部分があったり、電柱がまったく写っていないことから、フェイク画像ではないかと指摘する声が相次いだんです」(ネットライター)

 この投稿者は指摘を受け、画像生成AI「Stable Diffusion」に「水害」「静岡」というキーワードを入力して作成したフェイク画像であることを認め、「偽情報を発信してしまい、申し訳ありませんでした。また、実際の被害を受けて苦しんでいる静岡の方々にも申し訳ないことをしました」と謝罪‥‥と思われたが、「騙されて拡散した人『明らかにおかしい』と言って騙されていないフリをしている人 ばーか!ww ざまあwwwwwwwwwww」などと開き直ったコメントもしていたのだった。

 なお、投稿されたフェイク画像は現在も削除されず、閲覧可能な状態になっており、ネット上では《こういうのはちゃんと取り締まった方がいい》《この画像で静岡の状況を間違って把握している人もいるだろうし、色んなところに迷惑は掛かっている。これからは気をつけようじゃなく、デマの拡散には逮捕をお願いします》などといった意見も多く見られた。

「27日の会見で松野博一内閣官房長官は、今回のフェイク画像の流布について、今後は事実に基づかない情報に対して注意喚起していく方針を示しました。かつて、熊本地震が発生した直後にTwitterに『熊本の動物園からライオンが逃げた』というデマ情報を投稿した会社員は、動物園の業務を妨害したとして逮捕されています。今回のフェイク画像でも実害が出ている可能性はありますし、今後、画像生成AIで作成したフェイクやデマの拡散がおこなわれないためにも注意喚起だけでなく、厳しい対応が必要だと思います」(フリージャーナリスト)

 こうなると、閲覧者もフェイクを見分ける力が必要になってくる。

(小林洋三)

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