10月開始を豪語した「楽天携帯」はなぜ遅れたのか

 楽天の三木谷浩史会長兼社長が9月6日に会見を開き、携帯事業への本格参入が遅れることを明らかにし、これに不安の声が漂い始めている。
 
 楽天は当初、10月から限定的にサービスをスタートし、同月中にも本格化させるとしていたが、「1カ月後かもしれないし、年内かもしれない」と明確な開始時期を濁している。共同通信では、楽天モバイルの本格サービスが来春になる見通しであるとも報じており、信頼が大きく揺らいでいる状況だ。
 
「6日には三木谷氏が『他社は真似できない料金体系になる』と豪語する携帯プランも発表される予定でしたが、これも先送りにされました。楽天が激安プランを提示すれば、ドコモ・KDDI・ソフトバンクの3社も追随して値下げすると予想されていたので、肩透かしを食らった格好です」(社会部記者)

 こうした事態にネット上では、《そもそも計画に無理があったのでは》《これからインフラ整備をして、さらに価格を下げるって本当にできるのか》など、疑問の声が噴出している。
 
「楽天モバイルは、来年3月いっぱいまでに3432の基地局を整備する計画を提出し、総務省から電波の割り当てを受けていますが、現状での進捗状況は5分の1ほど。今年8月には総務省から3回目となる行政指導を受けており、それでもなかなか進まない。延期の会見を受けて楽天の株価は大幅に下落しましたが、もし本格スタートが来春までずれ込むようなことになれば、さらなる打撃を受けることは間違いありません」(経済誌記者)

 我々ユーザーとしては、各社に値下げを促すためにもいち早くメドを立てて欲しいものだ。

(小林洋三)

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