令和に突入する直前、平成の駆け込み特需とばかりに、コンビ名を改めた芸人がいる。吉本興業のダイアンだ。
ダイアンの西澤裕介&津田篤宏は昨年、41歳にして地元の関西から東京へ進出。関西では知らぬ者がいないほどの大人気で、単独ライブのチケットはプラチナ化するほど。そんな地位を捨てて、覚悟の上京を果たした。
結成19年。「M-1グランプリ」に07年と08年、2年続けて決勝進出を果たした実力派だ。すでに安定の域に達していると思われたが、今年4月18日、東京・ルミネtheよしもとで開催されたトークイベントで、西澤が「ユースケ」に改名した。
「千鳥の冠番組『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)の占い企画で3月、運気を上げるために占い師から改名を勧められていたからです。当初は悩んでいましたが、一念発起で上京してきた身。しかも、津田は妻子があります。コケられないプレッシャーがあったので、改名に踏みきりました。少しは運が向いたのか、ダウンタウンとの共演は増えました」(芸能関係者)
千鳥、ダイアン、かまいたちなど、在阪のテレビ番組を支えていた芸人が次々と上京したことによって、居残る中堅関西芸人にチャンスが巡ってきている。そこで動きを見せたのが、漫才に定評があるプリマ旦那だった。
「野村尚平と河野良祐の2人によるこのコンビは、令和に改まった5月1日の当日、大阪・なんばグランド花月で開催した単独ライブ『プリマ旦那改メ「令和喜多みな実」襲名披露公演』で『令和喜多みな実』に改名しました。プリマは全国的な知名度こそありませんが、17年にはNHK朝の連続テレビ小説『わろてんか』の出演権を懸けたネタバトルで優勝して、朝ドラデビューを果たしています」(前出・芸能関係者)
令和喜多みな実になってからのこの数カ月ではまだ、爆発力を見せていない。9月18日に王者が決定する「MBS歌ネタ王決定戦2019」敗者復活10組に選出されているぐらいだ。機運に乗るのは、もう少し先になりそうだ。
同じく5月1日の改元の日に改名したのは、東京吉本の「令和ロマン」。髙比良くるま&松井ケムリは、結成5年目の新人コンビ。元は「魔人無骨」だった。こちらはダイアン、令和喜多みな実よりもグンと格下で、テレビ出演がゼロのド新人だ。
令和突入を機に、現状打破を狙うお笑い芸人たち。その成功を1日も早く目にしたいものだ。
(北村ともこ)