甲子園で長打なし!花巻東・佐々木麟太郎を「2年間密着マーク」 阪神が下す評価

 これは「2024年の甲子園」に向けた“壮大な予告”か? 

 高校通算140本塁打を放った怪物・佐々木麟太郎(3年=花巻東)が準々決勝で散った。8回二死で見逃し三振に倒れたが、9回の味方打線の猛攻で再び打席がまわってきた。だが、一塁へのヘッドスライディングも及ばなかった。

「岩手県大会から背中を痛めているとは聞いていましたが。佐々木は今夏、ホームランはおろか、長打もありませんでした」(アマチュア野球担当記者)

 試合後のインタビューでは「進路」に関する質問も受けたが、「岩手に戻ってから決めると思う」と明言を避けた。

「阪神が佐々木を2年間、密着マークすることが分かった」−−。

 これは、2022年1月6日付のスポーツ新聞各紙が伝えたもの。当時、1年生だった佐々木に対し、2年間を費やして調査していくという、阪神の意気込みを伝えたものだ。

 その後、阪神は指揮官が矢野燿大氏から岡田彰布監督に代わり、チーム構成のビジョンにおいては変更された部分もあるだろう。しかし、スカウト活動には長い時間が掛かる。監督の交代により、これまで積み上げてきた調査内容を破棄し、相手側との信頼関係を壊すことはしないのではないだろうか。

「ペナントレースの結果で1位指名選手が変更になることもあります。チームが下位に低迷した年に将来性を見込んで高校生を指名するような悠長なことはできませんから」(球界関係者)

 22年1月の「2年間密着」のビジョンが変更されていなければ、阪神は佐々木を上位指名してくるだろう。まして、今年の阪神はペナントレースの優勝が目前に迫っており、その勝因は投手力とされている。投手の補強に執着しないで済むのだ。

「甲子園のスタンドですが、中日と巨人は部長クラスが佐々木を観に来ていました。阪神は確認できませんでしたが」(前出・アマチュア野球担当記者)

「2年間密着」の続報が気になる。今夏の涙を来年の甲子園で晴らすことになるのだろうか。余談だが、佐々木の妹も硬式野球をやっている。阪神には女子チームのあるので、「兄妹揃って」も実現可能だ。

(飯山満/スポーツライター)

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