お疲れ様です。どんな仕事も体が資本、健康が基本だよね。というわけで、多くの人が毎年、健康診断を受ける。中には高いお金を払って人間ドックを受けた人もいるよね。
私が最初に人間ドックを受けたのは20年前。フリーランスで働いてきた私は、500円で受けられる自治体の健康診断を受けてこなかった。理由は簡単、医者嫌いだったからです。
それが、ふとしたきっかけで受けた。その10年ほど前にテレビの取材で訪れた大学病院で、日帰り人間ドックを受けるならここがいいなあと、30代初めに思っていた病院です。
費用はかかったけど、ホテルのラウンジのような雰囲気。その日のうちに診断結果の面談もできる。結果を待っている間は、一流ホテルのシェフが病院内の食堂で調理してくれるランチもついていた。ちょっとしたリゾート気分だ。
もちろん、採血したりバリウムを飲んだりするわけだけど、とても上手で長い時間待つこともなかった。テキパキとやってくれるもんだから、定期的に通うようになった。こうして病院嫌いが少しだけなくなったわけ。
さらにホームドクターも見つかった。東京では珍しく大雪が降ったお正月のこと。家に帰るため自転車をこいでいたら、1回転するようなスリップで転倒、腕の骨を折ってしまった。
この時に出会ったのが近所の井上先生。腕も雰囲気もよくてね、もし何かあったら、ここに来ればいいやと思えたのがラッキーだった。定期的に顔を出す区の健康診断も井上先生のところで受けてみようと思うようになり、自分のホームドクターになってもらった。おかげで、新型コロナのワクチン注射も知っている先生に打ってもらえる安心感で、3年間を過ごすことができた。
人間ドックで気になるのがオプション検査の値段。胃カメラが2万2000円、脳のMRI検査が3万3000円とか。人間ドックは治療じゃないから消費税も必要で、2万円じゃなくて2万2000円になるんだよね。
実は子供の頃から数年に一度、頭痛になることがあって長い間心配だった。人間ドックのついでに脳の検査もしようか毎回悩んでいた。でも、3万3000円も出せば世の中には楽しいことが色々できるってわかってるから踏み切れずじまい。例えば温泉にだって行けるから迷うわけですよ。結局、受けないでいた。
そしたらある時、地方での講演会の帰りの新幹線で、十数年ぶりに頭痛がしてね。ああ、もうダメだと思って、そのまま井上先生のところに駆け込んで、頭痛の症状だけでなく、MRIを受けてこなかったことも含めて話したら、先生はニコッと笑って「それなら近くの大学病院に紹介状を書くから、MRI検査を受けてください」と。
ビックリしたね。だって毎回悩んでいた3万3000円のMRI検査が保険適用で1万円しないんだよ。こうして1年ごとに3回ほどMRI検査を受けたんだけど、3回目にこう言われたよ。
「まったく異常がないです。このままだと保険で人間ドックをやっているのと同じだから、今回でおしまいにします」
つまりね、何が言いたいかっていうと、もしも自分の体で不安や心配なところがあったら、健康診断などの時にオプション検査で受けるのもいいけど、ちゃんと医者に症状を伝えれば、MRIも普通に治療のための検査として受けることもできるよという話。
私はこうしてMRI検査を3割負担で受けられたから、検査もできて温泉の費用も捻出できたわけです。
大雨かと思ったら猛暑だったりで、皆さん、どうか熱中症、そして、災害やケガなどにも気をつけていきましょう。
佐藤治彦(さとう・はるひこ)経済評論家。テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍中。著書「素人はボロ儲けを狙うのはおやめなさい 安心・安全・確実な投資の教科書」(扶桑社)ほか多数。