「炎上」菅野が阪神3連戦の初戦に先発 なぜ戸郷ではないのか

 7月25日から甲子園球場で阪神対巨人の3連戦が始まる。その初戦マウンドを任されたのは、菅野智之。前回登板17日のヤクルト戦では「17球6失点」と大炎上し、不甲斐ない内容。「初戦は菅野ではなく、戸郷で行くべき」との声も聞かれたが、原辰徳監督の選択は違った。

「菅野に名誉挽回のチャンスを与えたんだと思います。でも、考えようによっては、戸郷をいちばん頼りにしているからとも判断できます」(ベテラン記者)

 その戸郷翔征だが、前回登板は7月13日の広島戦だった。球宴期間の小休止を見越して、翌14日に一軍登録を抹消された。ルールでは「再登録は24日以降」なので、宿敵・阪神との3連戦の初戦25日に先発登板させることも可能だった。しかし、原監督は慎重を期して、3戦目の27日にまわした。

 理由は「20日の球宴で投げているので」というもの。前回登板から中6日、1イニングしか投げていなかったが…。

「夏場はこれまでの疲れが出て、体が重くなるなど投手にとってつらい時期です。登板間隔を空けることで、後半戦に向けた体力温存策では」(前出・ベテラン記者)

 プロ野球の監督、コーチは「火曜日」を大事にし、エースを投入するケースが多い。火曜日から日曜日までの計6連戦の初戦を取りたいからだ。だが今回、25日の火曜日に戸郷を先発させなかった。球宴を挟んだためだが、こんな意見も聞かれた。

「今後ローテを組みなおし、戸郷が日曜日の先発にスライドするとの情報もあります。だとすれば、火曜日から土曜日までの5日間で連投して疲労がたまっているリリーフ陣にとってはありがたい。戸郷が投げる日曜日は“一休み”できるかもしれませんし、救援登板があるとしても、必要最小限で済む可能性が高い」(関係者)

「戸郷が控えている」というのは、救援陣にとって、“精神安定剤”になるようだ。

 巨人は後半戦を連勝スタートし、勝率5割に戻したばかり。火曜日を託された菅野が炎上すれば、水曜日以降、巨人の救援陣は登板過多に陥ってしまう。火曜日は責任重大だ。

(飯山満/スポーツライター)

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