「ドバイ国際競走」で買うべき「ブッチギリ日本馬」(1)ドウデュースで海外GⅠ10勝目に挑む

 3月25日、UAEのメイダン競馬場で「ドバイ国際競走」が開催される。今年は過去最多となる計27頭の日本馬が6レースに参戦する中、馬券が発売される4レースのうち、注目のGⅠ2レースを徹底分析する。

 馬券は「ドバイゴールデンシャヒーン」「ドバイターフ」「ドバイシーマクラシック」「ドバイワールドカップ」の4つが発売されるが、特に土曜の深夜、日本時間0時10分発走予定の「ドバイターフ」には、ダービー馬ドウデュースを含む計4頭の日本勢が海外GⅠ初制覇に挑む。

 競馬専門紙「競馬エイト」の海外競馬本紙予想の増井辰之輔TMが日本馬について解説する。

「ヴァンドギャルドは2年連続で2、3着に好走している強みはありますけど、今年は4歳勢の3頭に注目したいですね。中でもドウデュース。前走の京都記念はワンサイド勝ちで、パワーも決め手も2枚ぐらい上でした。3月8日の調教では、行きっぷりや反応もよかったですね。前川助手も『馬なりでサッと伸ばしました。先週、武豊騎手に乗ってもらって気が乗ってきましたし、元気いっぱいです』と話していました」

 昨年10月の凱旋門賞では19着に大敗しているが、

「ドバイの馬場は日本馬向きですから心配ないでしょう。少なくとも武騎手は、日本馬に負ける気はまったくないと思いますよ」(増井TM)

 とはいえ、その他の4歳馬2頭も調子はよさそうだ。増井TMが続ける。

「前走のマイルCSでGⅠ馬に輝いたセリフォスの中内田調教師は、3月9日の追い切りのあと『状態はいい』と納得の表情でした。距離が1ハロン伸びても心配ないでしょう。そしてジャパンC5着以来となるダノンベルーガですが、ベストパフォーマンスは東京芝1800メートルで行われた共同通信社杯ですから、今回の舞台設定はピッタリです」

 一方の外国勢はどうか。「東京スポーツ」でコラム「海外競馬解析」を執筆する競馬ライターの秋山響氏の分析によれば、

「ロードノースは、昨年パンサラッサと同着優勝で2連覇を成し遂げたあとが〈4〉〈5〉〈4〉着。ただ、5着に敗れたGⅠプリンスオブウェールズSは、スタートで目隠しが外れず大きく出遅れてのもので度外視できますし、約8カ月ぶりとなった2月の前哨戦、GⅢウィンターダービー(AW10ハロン)では鮮やかな勝利を収めています。ここを照準に仕上がっている印象で、今年も上位候補ですね」

 秋山氏によると、3月に行われた前走ダルシャーン賞で勝利したジュンコも、「後方一手のイメージでしたが、5頭立てとはいえ3番手につけて直線で楽々と抜け出し、最後は抑える余裕を見せて1馬身半差の勝利でした」と、軽視は禁物だが、やはり怖いのはゴドルフィン勢だろう。

「特にマスターオブザシーズとネーションズプライドは要警戒ですね。前者は一昨年のGⅠ英2000ギニーの2着馬で、前走のGⅠジェベルハッタでは後方でゴチャつきながらも3着に好走。後者は昨年のGⅠサラトガダービーの勝ち馬で、前走のGⅢドバイミレニアムSでは61.5キロを背負っての完勝でした」(秋山氏)

 リアルワールドもゴドルフィンだが、秋山氏は実力を認めつつ「約9カ月ぶりだった3月の前走が10着。一変までは‥‥」と不安視。であれば、先日のフェブラリーS(9着)で来日したシャールズスパイトのほうに魅力を感じるという。

「GⅠBCマイルの2着馬ですからね。芝に戻って一角崩しがあっても驚けません」(秋山氏)

 果たして、昨年のパンサラッサに続く日本馬の連覇なるか、注目したい。

(つづく)

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