3月26日(現地時間)、UAEのメイダン競馬場で「ドバイ国際競走」が開催される。GⅠ&GⅡの8レースに日本馬23頭が参戦予定の中、GⅠ4レースの馬券購入が可能だ。注目の2レースを徹底分析する。
JRAによる馬券発売は第6R「ドバイゴールデンシャヒーン」(日本馬はコパノキッキング、チェーンオブラブ、レッドルゼルが出走)、第7R「ドバイターフ」(ヴァンドギャルド、シュネルマイスター、パンサラッサ)、第8R「ドバイシーマクラシック」、第9R「ドバイワールドカップ」の4レース。
特に土曜深夜、日にちをまたいだ0時55分発走予定の「シーマクラシック」には、昨年のダービー馬&オークス馬を含む日本の有力馬5頭が名を連ねる強力布陣だ。
昨年、3連単1万1530円をみごと的中(▲◎★)させた「スポーツ報知」の牧野博光デスクが、日本馬の挑戦をこう解説する。
「シャフリヤールは日本の大将格と言ってもいいでしょうね。国内最終追い切りは、ヴァンドギャルドと坂路で併せて55秒5─12秒2。折り合いもよく2馬身ほど追いかけ、ラストは瞬時に併入に持ち込みました。藤原英昭調教師は『併せ馬である程度の負荷をかけたが、よかったね。具合はいい』と納得の表情でした」
シャフリヤールは初めての海外遠征になるが、
「藤原師が『ベテラン(3度目の海外遠征)のヴァンドギャルドなど、他の馬もたくさんいるんだから』と話していたように、心配ないでしょう。ダービーで負かしたエフフォーリアを物差しにすれば、能力は疑いようがない。舞台も左回りで直線も450メートルと長いので、ダービー馬の力を見せてくれると思います。良馬場なら3連単の1着固定で狙いたいですね」(牧野氏)
昨年のJCで2着したオーソリティの評価も高い。
「前走、サウジカップデーのGⅢ『ネオムターフカップ』(芝2100メートル)では楽々と逃げ切って優勝。初遠征で環境に対応できたことが大きいです」(牧野氏)
昨年末、香港で行われたGⅠ「香港ヴァーズ」(芝2400メートル)で連覇を飾ったグローリーヴェイズは、名手C・スミヨンとの新コンビで挑む。
「春の目標のひとつ『香港チャンピオンズデー』がコロナ禍のため、地元馬のみでの開催となってしまった。その分、陣営の意気込みはグッと上がっています」
昨年のオークス馬ユーバーレーベンと、有馬記念の4着馬ステラヴェローチェも侮れない、と牧野氏は言う。
「前者は19年、リスグラシューとのコンビでGⅠ3連勝(宝塚記念、コックスプレート、有馬記念)を飾ったD・レーン騎手を手配しているので心強いですね。後者はCWコースで行われた国内最終追い切りが抜群の動き。須貝師も『想像以上に状態がいい』と自信をのぞかせていました」
これだけの強力布陣となれば「シーマクラシック」は日本馬の独壇場と言いたいところだが、昨年は単勝1.9倍の1番人気クロノジェネシスが英国馬ミシュリフに足をすくわれた。
「東京スポーツ」でコラム「海外競馬解析」を担当する競馬ライターの秋山響氏が、こんな展開を指摘する。
「日本勢をまとめて負かすとすれば、英国馬のユビアーでしょう。前走のGⅠ『BCターフ』(芝2400メートル)は直線が249メートルしかないコースですが、後方2番手から差し切り勝ち。強烈な決め手の持ち主で、今回は明らかに条件が好転します。大外一気のシーンがあるかもしれません」
もう1頭、外国勢で警戒しておきたいのが、同じ英国馬のドバイオナーで、
「こちらも強烈な末脚が武器。前走のGⅠ『香港C』は狭いところに入って4着でしたが、昨秋の欧州中距離王者決定戦のGⅠ『英チャンピオンS』では、ミシュリフ(4着)に先着する2着でした」(秋山氏)
3月16日時点で想定されるのは13頭立て。今年こそ日本馬による上位独占となる可能性は高い。
*「GⅠ・ドバイ国際競走」大儲け大作戦【後編】につづく