3月27日、ドバイ国際競走がUAEのメイダン競馬場で開催される。日本馬12頭が参戦予定の中、注目は昨年の有馬記念馬クロノジェネシスが世界デビューを果たす「シーマクラシック」と、4頭の精鋭が挑む「ゴールデンシャヒーン」。日本馬を軸にガッツリと大儲けだ。
昨年の「ドバイワールドカップデー」はコロナ禍で中止だったが、今年は無観客で開催される。
JRAによる馬券発売競走は「ドバイゴールデンシャヒーン」(ダート1200メートル=3月27日【土】、23時40分)、「ドバイターフ」(芝1800メートル=3月28日【日】、0時30分)、「ドバイシーマクラシック」(芝2410メートル=同1時10分)、「ドバイワールドカップ」(ダート2000メートル=同1時50分)の4レースだ。
中でも「ドバイシーマC」には、昨年の宝塚記念&有馬記念を制したGⅠ3勝馬のクロノジェネシスと、19年のオークス馬ラヴズオンリーユーの2頭が参戦。ともに3月15日に栗東で国内最終追い切りに臨み、18日に無事、現地へ到着した。
海外競馬にも詳しく、昨年の凱旋門賞では勝ち馬ソットサス(5番人気)を本命に推した「スポーツ報知」の牧野博光デスクが話す。
「クロノジェネシスは北村友一騎手を背に、ほぼ手綱を持ったまま、Cウッドでラスト1ハロンを11秒7で駆ける伸びを見せた。斉藤崇史調教師が『去年より馬が全体的にいい。まだよくなるのか、と思った。すごいですね』と話すほどで、本格化の時期を迎え、有馬記念の時よりも迫力ある馬体成長しています」
デビュー時440キロだった馬体重は、宝塚記念で464キロ、有馬記念では474キロにまで成長。さらなる進化で世界制覇を目指す。
また、クロノジェネシスと同世代のラヴズオンリーユーも臨戦態勢を整えた。
「2月の京都記念で、オークス以来1年9カ月ぶりに勝利を飾った。復調を印象づけるように、こちらも坂路で軽快な走りを見せていて、岡助手は『以前より走りに力みがなく、操縦しやすくなっている』と好感触でした」(牧野氏)
対する外国馬については「東京スポーツ」でコラム「海外競馬解析」を連載している競馬ライターの秋山響氏が解説する。
「日本馬2頭の相手は、昨年の仏ダービー馬ミシュリフと、GⅠパリ大賞とGⅠ香港ヴァースを制しているモーグル。この4頭の力が抜けていると思います」
大将格のミシュリフは、前走のサウジカップ(ダ1800メートル)を快勝しての参戦となる。
「ただ、過去最長距離が仏ダービーの芝2100メートルで、前走から一気の距離延長。その前走では、かなりの前進気勢を見せていただけに、どう折り合いをつけるかがポイントになりそうです」(秋山氏)
地元の前哨戦、GⅡドバイシティオブゴールドを勝ったウォルトンストリートは、2戦続けてメイダン芝2410メートルのコースレコード(2戦とも同タイム)をマークし、ダークホースとみられている。
「コース適性は高そうですが、メンバー的にはかなり恵まれた印象です。であれば、昨年の米最優秀芝牡馬に選ばれたチャンネルメイカー。すんなり逃げた昨年のGⅠBCターフでは、モーグルに先着する3着でした」(秋山氏)
海外勢も強敵だが、日本馬のワンツーに期待だ!
*写真は(c)JRA