巨人が守護神・大勢の「タイトル奪取」大号令!裏に秘められた切実な事情とは?

 9月7日のDeNA戦は打線が爆発し、大量18得点で勝利した。球団ワーストの「対DeNA8連敗」を阻止できたのはもちろんだが、クローザー・大勢を温存できたことは大きい。Aクラス入りできるかどうか、そのカギは大勢が握っている。

「前日の同カードで、大勢は敗戦投手になっています。プロ入り初のイニング跨ぎにトライし、失敗しました」(スポーツ紙記者)

 巨人は大勢のセーブポイントのタイトル奪取、および新人セーブ記録の更新を意識している。同時に原辰徳監督はこの“新人守護神”のさらなる成長を促しているようだ。

「DeNAとの3連戦前、大勢の3連投解禁を明言しています。新人ということで、これまでは3連投させないように配慮してきたんですが」(前出・同)

 ペナントレースは、残り16試合。現在、大勢は31セーブでリーグ3位タイ。1位のヤクルト・マクガフは34セーブだから、逆転は十分に可能だが、本当に獲らせてやりたいと思っているのは、DeNA・山﨑康晃、広島・栗林良吏の持つ新人セーブ記録「37」を塗り替えた新記録だろう。

「試合中、登板の最終判断は桑田真澄投手チーフコーチが下します。あえて試練を与え3連投させることもあるでしょうし、桑田コーチがOKを出せば、4連投もあるかもしれません」(球界関係者)

 しかし、こんな懸念も聞かれた。「ルーキーイヤーの登板過多が来季以降に影響しないか?」という声だ。
 
「新人セーブ記録にこだわりすぎて、来季以降に影響しなければいいんですが。でも、近年では、クローザーには勝ちゲームでしか肩を作らせないし、『救援投手=短命』ということはなくなりました」(前出・同)

 大勢がセーブ王のタイトルに手に届かなかった場合、それは勝率5割もあやしいチーム状況のせい…となるのかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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