巨人「外野守備難」深刻化で中島宏之がレギュラー復活か?

 ここまで“ノーマーク”だったベテランに再び脚光が集まっている。首位・原巨人の「一塁手問題」である。中島宏之の出場機会が大幅に増えそうな雰囲気になってきた。

「中田翔が二軍落ちしたせいもありますが、一打席でも多く打たせてやりたいという声が出始めました」(球界関係者)

 4月23日の中日戦では試合を決定づけるレフト戦への二塁打を放った。昨季は得点圏打率3割8分5厘をマークした。今年も勝負強いバッティングは健在だが、この二塁打が日米通算1905安打目。2000本安打達成の可能性が見えてきた。

 正一塁手として試合に出続けることができれば、今季中の達成も可能だが、翌24日のスタメン一塁手は左バッターの香月一也だった。

「北村拓己もいます。中田の再昇格は未定ですが(同時点)、同じく一塁を守れるウィーラーの一軍合流が近いと思います。2000本安打達成が見えてきたとはいえ、中島が常時出場するようなチーム状況ではありません」(前同)

 しかしこの先、巨人の野手陣は「総動員になる」との見方もされている。外野の現レギュラーはレフト・ウォーカー、センター・丸、ライト・ポランコ。ウォーカー、ポランコの“弱肩”が露呈し、とくにウォーカーに関しては中継プレーの内野手のカットマンにまで届かないお粗末ぶりだ。

「中日ナインは巨人の外野陣をナメ切っていました。シングルヒットでおさまりそうな打球でも躊躇せず二塁まで進んでいた。試合前のミーティングで通達していたのでしょう」(スポーツ紙記者)

 ウォーカー、ポランコの打撃力は捨てがたい。今後は試合終盤ではなく、早いイニングから守備要員を出すことになりそうだ。そうなれば、守備要員に代打を出す場面が出て、その後に2人目の守備要員も必要となってくる。香月、北村らは外野も守れる。となれば「一塁・中島」を固定させてくるかもしれない。

「休養を挟みながら出場させたほうが中島のためになるとの考えも巨人ベンチにはあるようです」(前同)

 外野の守備難で、中島は今季中の2000本のメモリアル達成となる可能性も出てきた。ウォーカーをスタメンから外す場合、丸佳浩ではなく、中島を5番に抜てきするプランもあるそうだ。チーム最年長のベテランが存在感を高めつつある。

(スポーツライター・飯山満)

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