ロシアのプーチン大統領が24日、ついにウクライナ東部での軍事作戦を発表。ロイター通信やAFP通信などは、ウクライナ東部ルガンスク州ではウクライナ軍、ロシア軍が戦闘状態にあり、航空機の撃墜や軍用車両の破壊により、多くの死者や負傷者が出たと報じている。
在日ウクライナ大使館がツイッターで「戦争が始まりました。国際社会にサポートを願います」と訴えたのは24日正午のこと。ツイッター上にはたちまち「宣戦布告」「プーチン」「攻撃開始」「侵略戦争」といった関連ワードが並ぶことになったが、同日午後1時から偶然にもNHKBSプレミアムで映画「戦争と平和」が放送されている。
「『戦争と平和』はナポレオンによるロシア侵攻を背景に描かれた映画で、それがちょうど、ロシア国防省がウクライナの首都キエフなどにミサイル攻撃を行ったと表明するタイミングと重なりました。すると、すぐさまSNS上に《まさか『戦争と平和』の放送がロシアのウクライナ侵攻と重なるとは。皮肉がスゲェな》《トルストイは今の世界を見てどう思うだろう》《NHKさん、ある意味で神懸っているね》といったコメントが続出。さらには、NHKはCMがない分、予定をとばして意図的に放送したのではないかとする推測もあがり、『戦争と平和』もトレンドワード入りすることになりました」(テレビ誌ライター)
「戦争と平和」は帝政ロシアを代表する文豪トルストイの同名長編小説を、オードリー・ヘプバーン、へンリー・フォンダなどの豪華キャストで描いた1956年のイタリア・アメリカ映画。
「物語はフランス皇帝ナポレオン1世の時代の帝政ロシアを舞台に、時代に翻弄されて没落していく貴族子女の恋愛模様を描いたもの。日本でも同年に劇場公開され、その後何度もリバイバル上映されました。また、その10年後にあたる1965年から1967年にかけてはソ連版の『戦争と平和』が4部作で上映され、人気を博しました。特に、戦闘シーンには12万人を超すエキストラが動員され、当時のソ連が国を挙げて国家事業として製作撮影。上映時間6時間半を超す超大作として映画史にその名を刻んでいます」(映画ライター)
そんな名作映画をオンエア中に、ロシアから実際のミサイルが飛ぶことになるとは皮肉と言わざるを得ないが、悲劇が繰り返されないよう祈るばかりだ。
(灯倫太郎)