5月22日、ハーバード大に留学生受け入れ資格の停止、ならびに現在留学中の学生にも転学の手続きを進めるように声明を発表したトランプ政権。現在は大学側が連邦裁判所に提訴したことで差し止められているが、これはあくまで一時的なものに過ぎない。
しかも、現在米国では同大に限らず、外国人留学生を取り巻く環境は非常に厳しい。トランプ政権発足後、留学生向けのF1ビザの資格取り消しが相次いでいる。特にハーバード大は13年連続1位の「CWUR世界大学ランキング」をはじめ、複数の格付けランキングでトップの超名門だけに、世界各国でトップニュースとして一斉に報じられている。
特に米国の大学、語学学校に通う留学生は、トランプ大統領の強権発動にSNSなどで不安を口にしている。ビザ取り消しや学校の留学生受け入れ資格停止により、留学の存続が難しくなる可能性があるからだ。
そうした中、懸念されるのは、ハーバード大に並ぶ米国最高学府のひとつ、スタンフォード大に在学する佐々木麟太郎内野手。歴代最多となる高校通算140本塁打の記録を持つ若きスラッガーとして、現在は米国の大学リーグ。1年生ながら主力として活躍している。米国に留学する日本人学生ではもっとも有名な人物だが、そんな彼でも安泰とは言えない。
「今後、スタンフォード大など米国の他の名問大も同じような措置を食らう可能性もあるからです。実際、ハーバード大には数学オリンピックやジュニア・ノーベル賞のような学術分野で実績を持つ優秀な留学生もいますが、そうした人材に対する配慮もありません。佐々木選手の場合、チームの主力でも米国の大学球界でMVP級の活躍をしているわけではないですから」(スポーツ紙記者)
自身に被害が及ぶとは限らないが、留学生という立場である以上、不安材料には変わりない。いざとなれば転学以外にもマイナーリーグや独立リーグと契約してプレーする選択肢もあるが、一連の政府の措置が米国で文武両道の道を貫く若き野球エリートの障壁とならないことを祈るばかりだ。