短大の募集停止ラッシュが止まらない!それでも“消滅”は無い存在理由

 かつて女性にとっては4年制大学と並ぶ人気の進学先だった短期大学。だが、学校数はもっとも多かった1997年度には504校あったが、24年度には297校(※募集停止中の短大含む)と当時の6割に。学生数もピーク時の93年度は53万294人だったのに対し、24年度は7万4732人と7分の1に激減している。

 しかも、今年度から新たに募集停止となった短大は23校と例年以上に多い。もはや歯止めが利かない状態だ。

 そのため、“短大はオワコン”と言われるようになり、メディアでもそうした論調の記事も少なくない。だが、本当に短大の存在価値はなくなっているのだろうか。

「そもそも少子化の影響が大きく、短大ほどではなくても4年生大学や専門学校も同様の問題を抱えています。単に学校数や生徒数が減ったから教育機関としての短大は不要、との見方には疑問を感じます」(教育専門誌記者)

 特に短大は幼稚園教諭、保育士の養成機関としての需要があり、24年度時点では34.2%の学生が教育系学科に在籍。また、栄養士や調理師、製菓衛生師などの受験資格が得られる家政系学科は17.8%、看護師を養成する看護学科も9.9%で、これだけで全体の6割弱を占める。この他、自動車整備など工業系をはじめ、プログラミングや情報工学、農業などを学べる短大も各地にある。

「専門性が高く、かつ仕事に直結する実務が学べる分野は今も一定の需要があります。また、それに加えて短大から4年制大学に進む学生も多い。24年度は卒業生の7.8%が編入しており、なかには編入を前提とした学科を設けているところもあるほど。例えば、いったん短大に進んだうえで、大学に編入するかどうかを決めることもできるわけです。今後も短大の減少は避けられない状況ですが、消滅することはないと思います」(同)

 現在も短大にはれっきとした存在意義はあるようだ。

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