日本相撲協会が3月27日、5期目を迎えた八角体制の職務分掌(担当)を発表した。注目は協会ナンバー2の「事業部長」のポスト。これまで広報部長を3期務めた芝田山親方(元横綱大乃国)が有力視されたが、春日野親方(元関脇栃乃和歌)に決まった。
相撲協会の理事長は横綱大関経験者しかいない。これまでの理事長は事業部長のポストを経て協会のトップに上り詰めているが、
「芝田山親方は相撲教習所の所長になります。完全な閑職ですね。左遷と言われても仕方がない」(相撲担当記者)
飛ばされたのには理由がある。昨年9月、八角理事長(元横綱北勝海)の“右腕”の一人、事務方の宮田哲次主事による不適切な労働管理や職員に対するパワハラ行為が指摘され、「出勤停止1カ月」という処分が課せられた。
「しかし、その後も宮田主事は同じ職種で続投となったことに芝田山親方が異議と唱えたと言われ、これで芝田山親方が執行部でも完全に蚊帳の外状態となり、今回はずされたという声が協会内部でも圧倒的。普通の会社であれば、パワハラ行為があった上司が同じ部署に戻ってくるなんて、まずありえないのですが」(相撲協会関係者)
長期政権が続く八角体制の歪みを指摘する関係者も少なくないが、「反八角」と見なされれば容赦なく飛ばされる露骨な人事が今回も行われたというわけか。芝田山親方だけではない。今期から伊勢ヶ濱一門を代表して新理事になった、浅香山親方(元大関魁皇)は九州場所担当部長になったが…。
「部長といえば聞こえはいいですが、場所の券売や自治体への挨拶回りなど、なかなか大変な仕事です。浅香山の故郷とはいえ、特に九州場所は毎年券売に苦戦している。もちろん、満員にならなければ担当部長の責任も問われます」(夕刊紙記者)
浅香山親方は宮城野親方(元横綱白鵬)の宮城野部屋での暴行問題で、“取り潰し”をなんとか阻止しようと奔走していたが、八角執行
(小田龍司)