巨人以上にコロナで戦力を削がれたのは、ヤクルトだろう。コロナ陽性者との濃厚接触者に認定された青木宣親(39)と内川聖一(38)が、13日まで自宅隔離を余儀なくされた。飛車角どころか、六枚落ち級のしわ寄せが、若き大砲・村上宗隆(21)の一身にのしかかったのだ。
「エース級が相手になると、5番バッター以降に出塁の芽がほとんどありません。それは高津臣吾監督(52)も嘆いていることです。当然、4番の村上へのマークも厳しくなります。ベテラン不在の穴を埋めるために、ベンチでも率先して盛り上げ役にまで徹している。実情はまだ4年目の若手ですから、パンクが心配です」(在京球団スコアラー)
そんな緊急事態のチーム内で、今季からキャプテンに就任した山田哲人(28)の存在感が乏しい。
「昨シーズン同様にコンディション不良での欠場が続きます。昨オフに推定7年40億円の大型契約で残留したのも、そんな体のもろさを理由として他球団が好条件を提示できなかったからです。チームメイトからも『また山田さんの〝痛い痛い病〟だ』なんてバカにされていますが、高津監督も『コンディション不良ってことにしといて(笑)』と番記者たちを煙に巻くばかり。とてもチームを引っ張る立場とは思えません」(スポーツ紙デスク)
大型契約が堕落のきっかけにならないことを祈るばかりだ。
5年ぶりにオープン戦優勝を飾った阪神では、大型ルーキー・佐藤輝明(22)が注目を浴びている。ところが、プロ仕様の投球にアジャストできずにいるようで、強打の弱点を集中的に攻められているのだ。在京球団スコアラーによれば、
「完全にプロの壁にぶち当たっている。公式戦初安打がホームランだっただけに一発は怖いですが、内角の速球と外に逃げる変化球のコンビネーションで簡単に空振りが奪えます。むしろ厄介なのは、打撃よりも足のほうです。50メートル6秒フラットの脚力が、当たり損ねたボテボテのゴロをセーフにしてしまう。意識的に転がすようになったら、それはそれで脅威になります」
スケールの大きさは失わないでほしいのだが‥‥。
その一方で、何十年に一人という逸材のおかげでチームは活気づき、昨季は影の薄かった助っ人の奮闘が目立つ。こちらは嬉しい誤算である。
「チームでトップクラスの打撃成績を残すサンズ(33)や、先発で結果を残しているガンケル(29)の活躍が悩ましいんです。メジャー球団や巨人との争奪戦の末に獲得したロハス・ジュニア(30)や、昨シーズンに韓国で20勝を上げたアルカンタラ(28)が1軍に合流しても落とせません。しかも2軍のチェン(35)やエドワーズ(33)までが好調をキープしているため、悩ましいタネは尽きません」(スポーツ紙デスク)
ハズレ外国人の不在に、矢野燿大監督(52)も人知れず「矢野ガッツ」を繰り返しているに違いない。
*「週刊アサヒ芸能」4月22号より