ソフトバンクは実質「小久保政権」だった/セ・パ12球団「大誤算」(3)

 パ・リーグの覇者・ソフトバンクにも不安材料がチラホラ。今季から就任した小久保裕紀ヘッドコーチ(49)の強権発動に、チーム内がヤキモキしているというのだ。パ・リーグ関係者が内情を明かす。

「来季からが前提の次期監督への禅譲をにらんで、オーダーや試合中の采配に至るまでを球団に一任されています。工藤公康監督(57)も、小久保ヘッドの決定に意見しないようです。実質的な〝小久保政権〟で春季キャンプから居残り練習が当たり前になり、シーズン序盤ながら選手たちの疲労具合も心配されている。しかしながら、次期監督の方針に逆らうと使ってもらえなくなるので、皆が口を貝にして従うしかないんです」

 開幕4連勝と常勝軍団の名に違わぬロケットスタートを切りながらも、スタメンには打率1割〜2割前半の選手が名を連ねている。15日時点で打率2割以下なのは、デスパイネ(34)、中村晃(31)、今宮健太(29)。いくらでも代わりはいそうなものだが‥‥。

「来季に向けて、半ば打線が固定されています。代えの利かないサードの松田宣浩(37)以外、ベテラン野手は来季構想外。いくら打線が沈黙しようが、ベンチウォーマーに甘んじている明石健志(35)や長谷川勇也(36)などは、代打起用が関の山なんです」(パ・リーグ関係者)

 そのソフトバンクに開幕から3タテを献上したロッテ。春季キャンプで松中信彦臨時打撃コーチ(47)の指導を受けた門下生たちがピリッとしていない。主砲としての開花が嘱望される安田尚憲(21)は、完全に迷路に迷い込んでしまった。

「プロ入り後に取り組んできた、コンパクトなスイングとは真逆の指導で混乱しているようです。その上でチーム方針は『フォアボールもワンヒットと同等』だから、それを意識するあまり、ボールを見すぎてカウントを悪くしては凡退するケースも多い。平成の三冠王からの特別教育は、水泡に帰したと言っていいでしょう」(スポーツ紙デスク)

 オープン戦全試合で4番に起用された山口航輝(20)は、〝エコ贔屓采配〟が裏目に出た様子。オープン戦では、チームトップの2本塁
打、6打点を叩き出していたが‥‥。

「好成績の裏には、ロッテを出し抜こうとする他球団の思惑もありました。山口の守るポジションはレギュラー不在で、井口資仁監督(46)も『今シーズンのキーマン』と大々的に公言してきた。開幕から起用されれば都合がいいわけで、わざと打たせていたといいます。その結果、打率は1割台前半の体たらくに」(パ・リーグ関係者)

 とんだ肩透かしとならないことを願いたい。

*「週刊アサヒ芸能」4月22号より

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