侍ジャパンのメンバー招集に「サプライズ」があるかもしれない。
日本代表チームを指揮する栗山英樹監督が、東京ヤクルト対巨人戦を視察した(9月13日)。その目的は村上宗隆。栗山監督の目の前で、NPB史上日本人選手最多タイの55号アーチを放った。
「試合前、栗山監督は村上と談笑していました。『打ってほしい時に絶対打ってくれる、勝たせてくれる人』と大絶賛していました」(スポーツ紙記者)
侍ジャパンの4番も村上で決定しているような雰囲気だったが、栗山監督は“意味シンなセリフ”も残していた。
「長打を打てる打者が何人か必要。岡本(和真)選手、(中田)翔であったり‥‥」
元教え子、中田は巨人の第91代4番打者となって以来、打撃不振から完全に抜け出した。
「中田は33歳。来春3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は若手で戦うというのが、もっぱら」(前出・同)
しかし、「長打、中田」の発言はリップサービスではなかったらしい。栗山監督は侍ジャパンのメンバー編成について、「勢いのある選手を選ぶ」とも語ってきた。これが「若手中心」論の根拠ともされているが、
「実績よりも上り調子にある選手、自信、大舞台に負けない精神力を持っているという意味」
と、語る関係者もいないわけではないのだ。
また、こんな指摘も聞かれた。
「外国人投手特有のムービングボール、これは国際試合における継続課題です。いくら優秀なスコアラーをつけても対戦する投手のほぼ全員が“初見”ですし。中田はムービングボールに対応できる数少ない選手の1人であり、NPB内にも評価する人はたくさんいます」(球界関係者)
ヤクルト打線同様、侍ジャパンも“4番・村上”の前後を打つ選手がキーマンとなる。中田も栗山監督に恩返しする機会は欲しているはず。村上以外にも、阪神・佐藤輝明、DeNA・牧秀悟など“初招集”となりそうな若手も多い。経験豊富な中田がアニキ役として、栗山監督と後輩たちの繋ぎ役もなる可能性は十分にある。
(スポーツライター・飯山満)