ヤクルト・奥川恭伸が実戦形式登板「最速147キロ」でも1軍当落選上で抱える「2つの課題」

 2月13日、東京ヤクルトスワローズの奥川恭伸投手がフリー打撃に登板した。打者15人に対し27球を投じてヒット性の当たりはわずか3本。この時期は投手有利とはいえ、約2年ぶりの一軍復帰に期待の持てる内容だった。

「故障した右肘に違和感はなかったようで、18日の練習試合でも投げる予定。まずは2イニングで試すとのこと」(スポーツ紙記者)

 復帰の信憑性を探るポイントは2つ。18日のピッチング内容はもちろんだが、「投球スタイル」と「投球後の体調」だ。13日の最速は147キロで、スライダー、フォークなどの変化球も投げていたが「本人は実戦と同じ投球ができたことに安堵していたものの、ストライクとボールがはっきりしていた」(前出・スポーツライター)という。

 ただし奥川自身も語っていたが、まずは登板することが目標だった。制球力については第2ステップであり、それが一軍に生き残れるかどうかのカギとなりそうだ。

「奥川はいわゆる力投型の投手でしたが、この日は力をセーブして投げていました。新しい投球スタイルが対外試合で通用するかどうかも注目です」(前出・スポーツライター)

 また、18日の対外試合までの右肘の状態も気になる。奥川が9勝を挙げた21年は「中10日」の間隔で投げていた。通常の先発ローテーションよりも間隔を空けたのにもかかわらず故障してしまったことから、登板後の調整内容も変えなければならない。

「18日の登板は大事ですよ。試合での登板がオープン戦中盤以降の3月ならば高津臣吾監督も奥川を戦力として考えているのでしょうが、2月半ばに投げさせるということは実績のない若手と同じ扱い。『一軍生き残りのボーダーライン上』と見なされています」(前出・スポーツライター)

 開幕ローテーション入りを果たせるか。

(飯山満/スポーツライター)

スポーツ