新人王争いのダークホース的存在になりそうだ。
中日の育成ドラフト1位ルーキー・近藤廉投手が近日中に支配下登録されることになった。
「近藤の評判が高いんです。左のリリーバーとして二軍戦で投げてきましたが、『一軍にいてもおかしくない』と、対戦チームの首脳陣も認めています」(球界関係者)
すでに、アダ名もつけられていた。人呼んで「バット折り」。キャンプ中の実戦から数えて10試合連続での無失点もすごいが、「ほぼ1試合に1本」の割合で、右打者のバットを“破壊”してきた。
「鋭角なスライダーが武器で、ファームの右バッターは対応できていません」(同前)
近藤のスライダーは右打者に向かってくるような軌道を描くという。直近の登板となった3月27日の阪神二軍戦では9回に登板、クローザーとしての適性がテストされたわけだが、「被安打、失点ともにゼロ」で及第点を掴み取った。
「24日の広島二軍戦ではイニング跨ぎがテストされました。この時点で、『近藤を支配下登録しても大丈夫』という声が聞かれるようになりました」(同前)
そんなすごい左腕が育成選手にいたとは驚きだが、セ・リーグ球団スカウトもこう評価していた。
「札幌学院大学時代から、全球団の北海道・東北地区担当スカウトが注目していました。彼目当てで札幌学生野球連盟の試合会場に10球団以上が集まったこともある。当時は主に先発投手として頑張っていました。どの球団も育成での上位指名を予定していたようです。失礼ながら、地方リーグの成績なのでちょっと慎重になったんです」
近藤はガッチリとした体型だが、大学に進んだ当時は体重70㎏台だった。食生活の見直しとトレーニングで90㎏近い現在の体を作り上げた。学年が上がるごとに投球のレベルも高まっていき、同大学初のプロ野球選手となった。
「岩瀬(仁紀)に似ている」との評価もあるそうだ。もっとも、ガッチリとした今の体型になってからは似ているのは、スライダーの鋭角さだけだが…。
支配下登録後、一軍合流との情報も交錯している。「バット折り」のリリーバーが注目を集めそうだ。
(スポーツライター・飯山満)