ユニクロが2月5日に販売を開始した「ルーヴル美術館コレクション」が話題となっている。フランス・パリのルーヴル美術館に所蔵される作品をファッションに落とし込んだ商品の数々は発売前から話題となっており、インスタグラマーたちの間で「あえてオーバーサイズを着るとおしゃれで可愛い」と話題になったスウェットシャツは、大きめの4XLサイズから即完売となっていき、現在も品薄状態が続いている。
大ヒットとなった一方で、一部では今回のコレクションのコンセプトに批判的な意見が殺到しているという。
《ルーヴル美術館が誇るアートコレクションより女性の多様性に注目。麗しきUTコレクション》と掲げられた特設サイトには《多様性溢れる魅力的な女性たちをモチーフとした作品を厳選。巨匠たちによるファインアートを再解釈し、“美”をより引き立てたスタイリッシュなデザインに生まれ変わらせました》と記載されているが、選ばれた芸術家は白人男性ばかりであり、男性が描く女性像に果たして多様性があるのだろうかと疑問の声があがっているようだ。
ネット上では《『女性の多様性に注目』ってわざわざ掲げといて裸婦や聖母をモチーフにした作品ばかりなのってどうなの…》《一貫して『美しく見られる存在』の女性ばかりで多様性もなにもなくてブチギレそう》《多様性とか言わずにアートコレクションとか銘打って販売したら炎上しなかったろうな》《モナリザもミロのヴィーナスも、どれも素敵な作品だけどあえて女性の多様性というコンセプトでこれらを売るのって気持ち悪い》などコンセプトに批判的な意見が殺到する事態となった。
デザイン性の高さが評価され、売れ行きは好調となったものの、ユニクロの示すポリティカルコレクトネスに疑問符がつけられてしまったようだ。そもそも、“女性の多様性”をコンセプトとして取り上げること自体が、多様性を尊重することが当たり前の現代社会ではおかしな話なのかもしれない。
(浜野ふみ)