中高年の“モロ見せ犯罪”多発の裏に何が!?「自覚がないまま脳が悲鳴を…」

 70年代に岩崎宏美が歌い、大ヒットした「思秋期」。「足音もなく行き過ぎた」から始まる阿久悠が書いたその詞には、人生の秋を迎えた男たちの、何とも言えない悲哀が漂っていた。

 一説によれば、「思秋期」とは45歳以上の中高年を指す造語のようだが、このところ、卑猥な事件の加害者としてたびたび世間を騒がせている。

 神奈川・茅ケ崎市のコンビニ店内で58歳の会社役員の男が下半身を見せつけて、駆けつけた警察官により現行犯逮捕されたのは1月23日のこと。同27日には札幌の大型商業施設のフードパーク内で、昨年6月に下半身を露呈したとして、52歳の男が逮捕された。

 さらに、翌28日には東京都稲城市在住の会社員の男(50代)が逮捕され、男が大手企業に勤めるエリートだったことから、メディアでも大きく報じられた。

「このエリート会社員の男は昨年11月に横須賀市で10代の女性に『アンケートに協力してほしい』と声をかけて近くの駐車場に連れ込み、3000円を渡し『10点満点で何点か評価してくれ』と下半身をモロ見せにしたとされています。本人は取り調べで『酒に酔っていて覚えていない』と供述していますが、事件の30分ほど前にも、20代女性が近くの駐車場で5000円を渡され、同様の被害に遭っていますからね。常習犯の可能性もあり、余罪について引き続き捜査が続いているようです」(全国紙社会部記者)

 立て続けに起こる50代男性による卑猥事件。その背景には何があるのか……。性的犯罪に詳しいカウンセラーは、要因のひとつとして「性的欲求を発散する場所がなくなったこと」があげられるという。

「かつて40代、50代の男性はナイスミドルと呼ばれ、カネのない同世代より経済力があるおじさんのほうがいい、と若い女性たちからモテた時代もありました。ところが、コロナ禍で大企業の業績が悪化、接待費を使って飲み歩くことなど夢のまた夢になってしまった。でも、まだまだ肉体は健康だしモテたい気持ちはある。そんな溜まりに溜まったストレスが酒の力で爆発してしまい、気がつくとレールを踏み外していた、というパターンが圧倒的に多いですね」

 このカウンセラーいわく、ゆがんだ願望を持つ男性の特徴は、普段は真面目であることが多いゆえに、

「だからこそ、ストレスが溜まっても我慢してしまい、ストレスに鈍感になってしまうんです。つまり、強いストレスがかかって脳が悲鳴を上げているのに、本人には自覚がなく、かといって趣味もないので上手く発散できない。そんなタイプが多いと考えていいでしょう」

 さらにもうひとつ、EDがキッカケで犯罪予備軍になる男性も少なくないという。

「たとえ50代を過ぎてEDになっても性的欲求が衰えているわけはないんですね。で、たまたま目の前に自分好みの若い女の子がいた。ここでイチモツを見せたらどんな反応を示すか……。結果、それが病みつきになってしまうパターンもありますね」(前出・カウンセラー)

 60代になれば自身の衰えを受け入れることができても、50代ではまだそれができない。そのジレンマが「モロ見せ」という行為に駆り立てる場合もあるのだとか。

 とはいえ、迷惑極まりない“見せつけ行為”は6月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科されるれっきとした犯罪。しかも、これまで築いた社会的地位を一瞬にして失うとあっては、思秋期のオイタでは済まされないだろう。

(灯倫太郎)

※写真はイメージです

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