ユニクロ“13日の金曜日”に何が!? 床にハンガーが散乱して売り場で脱ぐ客も…

 11月13日、コロナ第3波の到来が各メディアで報じられ、外出への危機感が高まりつつある中、各地のユニクロ店舗で早朝から大行列ができていた。SNS上では《ユニクロ、人気すぎて売り場は足の踏み場もない》《争奪戦にウンザリしました。諦めて帰ろう…》など、購入することが出来なかったという客らの嘆きの声が続々に投稿されている。

 ユニクロに殺到した客らのお目当てはデザイナーのジル・サンダー氏とのコラボレーションライン「+J」だ。ユニクロとジル・サンダー氏のコラボは2009年から2011年秋冬まで5シーズン継続されており、これまでもデザイン性の高さや質の良さから人気の高い商品ラインであった。今回、9年ぶりに同コラボ企画が発表され、発売日前から注目が集まっていた。

 ユニクロ自らが“伝説のコラボレーション”と銘打っている程のこの企画。その人気の高さゆえ、くしくも“13日の金曜日”となった発売日、一部店舗ではアイテムの“争奪戦”状態になっており、ある意味“伝説級”の荒れっぷりとなっているようだ。

 SNS上に続々投稿された店内の写真を見ると、客が殺到した店舗内はおしくらまんじゅうのような混雑ぶりで、商品を入れる買い物かごを頭上に掲げなければ売り場にいられない程のすし詰め状態。デザインや質にこだわった商品の数々が、客らの取り合いの末、床の上に散乱し、試着室が混みあっているためか、周囲の目を気にすることなく売り場で服を脱ぎ捨てて、強引に試着を試みる客の姿も。

 商品だけでなく、折れたハンガーや割れたガラス片、壁や天井に掛けられているはずのポップやプレートがあちらこちらに散乱した状況が伺える。店内の写真を投稿した客は《まじで治安が悪すぎる》《選んで買えるような状況ではなかった》と、その混雑さから疲弊しきった様子のコメントを添えている。

 許せないのはこうしたニーズの高さから、発売初日であるにもかかわらずネット上で高額転売が横行していることだ。同コラボ企画の目玉商品とされているオーバーサイズのダウンパーカの定価は15900円(税抜価格)。ところが、フリマアプリなどでは23000円程で何件も売買が成立しており、中には80000円を超えるような高額での出品も見受けられる。店舗に殺到したのは純粋にコラボアイテムを手に入れたい客だけでなく、ハナから高額転売が目的の“転売ヤー”だったのだろうか。

 世界のトップデザイナーたちがこだわりを込めて作成した商品を乱雑に扱い、私利私欲のために商品を購入した者がいたとすれば、これらの商品の本当の価値を理解していないのだと悲しく思う。

(浜野ふみ)

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