ユニクロを直撃!EUで発効「売れ残り服の廃棄規制」で庶民のオシャレはどうなる?

 欧州連合(EU)は12月5日、アパレルメーカーに対して売れ残った服や靴など衣料品の廃棄を禁じる法案を導入することに大筋合意したと発表した。大量生産、大量廃棄を繰り返すファストファッションを取り締まる目的があるとみられるが、この規制が世のファッションにどんな変化をもたらすのだろうか。

「今回、大筋合意したのは『エコデザイン規制』改正案で、アパレルメーカーは売れ残ったり、返品となった衣料品をそのまま廃棄することが禁止され、再利用やリサイクルすることなどが求められます。正式に承認されれば2年後から適用され、中規模事業者は6年間の猶予が与えられ、小規模事業者については免除されるといいます」(社会部記者)

 大量生産することで一着の服の値段を安く販売することができるファストファッションが2000年代半ば頃から世界中で大流行しているが、その一方で衣料品が大量廃棄されており、日本だけでも約51万トンの洋服が毎年捨てられるなど大きな社会問題にもなっていた。ファッションの中心であり、環境問題意識の高いEUでこの改正案が導入されれば、EU外のアパレルメーカーにも影響を与えることは間違いないだろう。

「日本のメーカーとしては欧州にも数多くの店舗を持つ『ユニクロ』は、間違いなく大きな変革が求められることになるでしょう。もちろん、衣料品の廃棄を無くすというのは素晴らしいことですが、ただその一方で、作られるのが確実に売れる無難なデザインや、長く置ける定番商品ばかりになり、斬新なデザインだったり新風を起こすような先進的な服が世に出づらくなるかもしれません。大手メーカーの服がことごとく没個性になるとしたら、少し寂しい気もしますね」(ファッションライター)

 流行の最先端の地で成立する「廃棄禁止法案」は世界のファッションをどうリードしていくのか。

(小林洋三)

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