ユニクロが“3密行列”覚悟で「エアリズムマスク」を店頭販売した理由とは?

 大手衣料品メーカーのユニクロが6月19日、「なめらかな肌触り」を特徴とする「エアリズムマスク」の販売を開始し、早くも全国の店舗に人が殺到する事態となった。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって一気に高まったマスク需要。ユニクロが販売するのは、独自の3層構造を採用した高性能フィルターや涼しげな肌触りを実現するメッシュ素材などを駆使して開発した“つけ心地“抜群のエアリズムマスクだ。

 グローバルに展開する著名な衣料品メーカーによるマスク生産とあって、発売初日の19日から店頭には買い求める客が殺到。オンラインでもエアリズムマスクを購入することはできるが、同日の午前中時点ですでに販売ページへのアクセスが困難となり、SNSでは全国のユニクロ店舗にて次々と“3密“状態になっている現状を知らせるツイートも確認できる。

「感染を防ぐためのマスクを買いに、3密となっている場所に赴いてしまうのはあまりに本末転倒な現象。過去にはSHARPが同様にマスク販売を開始し、公式サイトにアクセスできなくなるケースもありましたから、ユニクロはなぜオンラインでの抽選制ではなく、店舗での販売を始めてしまったのかとの批判が寄せられています。エアリズムマスクの爆発的な人気が原因で人混みが各地で発生すれば、クラスターに繋がる可能性もゼロではなく、販売方法はもう少し慎重になる必要があったでしょう。ネットでも『近くのユニクロ。ライブ会場のように人が集まってましたよ。絶対どこかの店舗でクラスターになってると思う』『抽選販売にしなかったのは企業としてどうかな…。店舗は激混みです』『マスク販売で3密やサーバーダウンになるのは過去の事例で理解しているはずです』との声が出ています。もちろん、オンラインだけでなく店舗での販売も行うことで、他の商品の購買を促すことに繋がるという側面もありますが、第二波の到来も懸念される最中には客の安全を何よりも優先するべきだったかもしれませんね」(テレビ誌ライター)

 なお、法で規制されているにもかかわらず、ネットではすでにユニクロのエアリズムマスクが高額転売されているとの証言も続々と上がっており、鎮まりかけていた“マスク狂騒曲“が再び音色を奏でることになってしまったようだ。

(木村慎吾)

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