富士の樹海や特殊清掃の現場など、危険な潜入取材を続けてきたライター兼イラストレーターの村田らむ氏。先日、足を踏み入れたのは、とある宗教施設。「お騒がせレディ」として注目を集めたアッキーこと安倍昭恵夫人との関係が報じられた神社だというが……。
2020年9月16日に安倍晋三さんが内閣総理大臣を退任したちょうど同時期、筆者は山梨県富士吉田市にある、とある神社に足を運んでいた。その神社の名前は「不二阿祖山太神宮」。安倍晋三さんの妻、安倍昭恵さんが関連団体のイベントの名誉顧問を務めていたと報じられ、一時期話題になった神社だ。安倍昭恵さんといえば「誘われればどこにでも顔を出す人」と知られている。その安倍昭恵さんが贔屓にする宗教団体なら、何かおもしろいことがあるのではないか? と思ったのだ。
「不二阿祖山太神宮」の説明によれば、始原神であり唯一神、宇宙の創造神たる「富士太神(不二太神)」を祀る日本最古の神宮……とのこと。彼らは、200万〜300万年前に「天皇」を頂点とする富士王朝があったと主張している。
僕が出向いた日はたまたま例祭の日で多くの信者が訪れていた。椅子に座って、信者たちと一緒に儀式の様子を見る。
遠くにある本殿で神道風の儀式をしているのが見えた。1時間ほどで儀式は終わり、やっと自由に境内を回ることができた。
一見、普通の神社に見えるのだが、よく見るといろいろと“違和感”を抱く点が少なくない。鳥居は柱が三本で、三角柱のようになっている。珍しいなと思っていると、信者の人が、
「鳥居の真ん中はパワースポットになっているんですよ。肩こりがスーッとなくなったりするんですよ」
とニコニコと説明してくれた。実際、信者の人たちは、鳥居の下で両手を広げて「ああ、癒やされるね〜」などと話していた。
境内にある施設には一つ一つ説明書きがあるのだが、
《スワスチカ ムー大陸の絵文字の一つ 神の四大源力を表します。ここでは、神の回転のエネルギーの違いを体験していただけます》
《蓬莱山島石組み 〜略〜世界最大の宇宙エネルギーがある所と言われております。ここでは火・水・土の太神様のエネルギーを感じていただけます》
などと書かれている。神社に参拝して「ムー大陸」という単語を見るとは思っていなかったので、思わず絶句してしまった。
配られていたチラシには「神秘体験ができるスポットでございます」とはっきり書かれていた。神秘体験ができる6つの神秘スポットを回っていると、壁に教祖と安倍昭恵さんが仲良く写る写真が貼られていた。なるほど、噂は本当だったようだ。
安倍昭恵さん“御用達”の神社。気になる人は足を運んでみてはいかがだろう?
(写真・文/村田らむ)