旧統一教会問題「再調査にNO」、自民総裁選9候補が一致団結の衝撃

 自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との密接な関係性がクローズアップされたのは9月17日のこと。2013年の参議院選挙の直前、安倍晋三元総理と教団会長が自民党本部で面会していたことが、朝日新聞のスクープで発覚したのだ。公開された写真には、岸信夫元防衛相、萩生田光一前政調会長も写っており、自民党と教団の「組織的な関係」が浮き彫りになった。

 同日に放送されたTBS系報道番組「news23」は9月27日に投開票を迎える自民党総裁選の9候補がそろってVTR出演。「政治とカネ」「若い世代への訴え」をテーマに討論を行った。討論会の終盤、朝日新聞の報道に触れて、小川彩佳キャスターはこんな質問をぶつけた。

「そこでみなさんにうかがいます。新しい報道が出ているという中で、ご自身が総裁になった場合に、教団との関係について何らかの再調査を行うという方がいらしたら、挙手をお願いいたします」

 この問いに9人の候補者たちはダンマリ。手を挙げる人間は誰もおらず、気まずい沈黙が流れる中、小川キャスターは茂木敏光幹事長に「幹事長の立場としていかがですか?」と尋ねる。茂木氏は旧統一教会問題に関してはすべての議員を対象にアンケート調査を実施したと説明し、「アンケートを見て、私なりに『不十分じゃないか』という人には直接話を全員から聞きました。そこの中で調査をしましたけど、やっぱり漏れは出ていました。そこは常に修正をする」と述べて、「再発防止に向けた(被害者)救済法」を挙げた。「誰から見てもおかしいという事実が出てくればそうなんですけど、会っていて何が起こったかということは今の時点では私は確定できません」とコメントを締めくくったが、ネット上では《旧統一教会問題では9人が一致団結か》《誰が総裁になっても同じ》《茂木さんの調査は何だったんだ》などと怒りの声が相次いでいた。

「教団との関係の再調査について聞かれた9人の候補者がそろって『NO』を突きつけたシーンは多くの視聴者に衝撃を与えたようです。22年に自民党は全議員の点検作業を行い、379人のうち179人に何らかの接点があったことを確認。その点検作業の責任者を務めたのが何を隠そう総裁選候補の茂木氏。これまで再三にわたって教団と自民党の組織的なつながりを否定してきただけに、今回のスクープ報道で、調査能力に疑問符がつく形となりました」(メディア誌ライター)

 裏金問題では「再発防止」を繰り返して逃げ切りを図ってきたが、旧統一教会問題の疑惑再燃で、改めて自浄能力が問われようとしている。

※写真は自民党公式サイトより

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