山梨県内で桃の盗難事件が相次いでいる。笛吹市と山梨市では、10カ所の畑から約1万4400個が盗まれたことが確認されており、いずれも出荷される前の未熟な桃。他の農作物の盗難事件と合わせると、被害総額は500万円以上にのぼり、地元警察はホームページなどで情報提供を呼び掛けている。
6月24日放送の「ひるおび」では、元警視庁刑事で防犯コンサルタントの吉川祐二氏立ち合いのもとで現場から中継。女性リポーターが示した温度計には「気温37.8度」と表示され、2人は熱中症対策としてマスクを外した状態でレポートした。
桃が盗まれた現場は、公道から誰でも車で侵入できるところにあり、実際に2人が足を運ぶと、手に届く範囲の桃がなくなっているのがわかる。未熟な桃をどうやって熟させるのか、吉川氏は地元農家から聞いた話として「考えつかない」「熟す度合いというのはあまり進まない」という声を紹介していた。
話がひと区切りしたところで女性レポーターが「スタジオにいったんお返しいたしします」とアナウンスしたものの、番組司会の恵俊彰はそれを遮るように、「吉川さん」と語り掛け、「土地勘がないとここまで入ってこれないと思うんですよ。一方では手の届く範囲でしか取っていないってなると、この犯人たちは熟していないものが売れるかどうか、関係なく取っていったってことになるんですか?」と質問。吉川氏は「そこまで考えずに盗んでいったということが十分考えられます」と答えた。この後も司会の恵が「吉川さん」と中継先に声をかける場面もあり、SNSでは《炎天下の中継なんだから休ませてあげて》《吉川さんせめて日陰に入ってほしい》《37度の畑と23度のスタジオの温度差が》といった声があがっていた。
そのままでは食べることの難しい桃を盗んだことについて、コメンテーターの八代英輝弁護士は車を準備して複数で犯行に及んだ点と、高いところにある桃を取るために脚立などを準備しなかった点を挙げて、「計画的な部分と雑な部分が両方あるな、と思いました」と語っていたのだが、番組の終わりで視聴者から驚きの声があがったという。
「その日の視聴者プレゼントが7000円相当の桃だったんです。『ジューシーで甘みたっぷりの美味しい桃』『暑い夏にぴったりの果物』と紹介されていました。JAグループ山梨が提供したもののようですが、《桃泥棒を報じた後に桃プレゼントって…》《事件を報じてくれたお礼の品かな》《それって盗品じゃないよね?》といったコメントが相次ぐ事態に…。大量盗難事件を報じた直後だけに、混乱する視聴者は少なくなかったでしょう」(テレビ誌ライター)
生鮮食品だけに、視聴者プレゼントの日程をずらすのは難しかったのか。いずれにしても桃窃盗グループの一日も早い摘発を願ってやまない。