2020年のプロ野球を締めくくる日本シリーズがいよいよ11月21日に開幕する。原巨人が昨年の「4タテ」の雪辱を晴らすのか‥‥。野球ファンの注目が集まるなか、ストーブリーグではFA戦線や後任人事をめぐって各球団が“場外乱闘”を繰り広げているという。
A 日本一の行方も気になるが、“場外”の話題は早くも来季への戦力補強へと移りつつある。
B 阪神が獲得した近畿大学のスラッガー、佐藤輝明(21)は巨人もドラフト1位で入札した。今オフはエース菅野智之(31)のメジャー移籍が濃厚と聞くし、野手の1位入札には驚かされました。
D いや、実は菅野残留の目も色濃くなっているんです。メジャーでは先発3番手クラスとされていますが、昨年までなら1年20億円の契約も可能だった。それがこのコロナ禍でメジャー球団の実入りも激減し、資金が潤沢ではなくなった。今は10億円弱まで評価が下がっています。
C 巨人としてもみすみす、球団記録の開幕13連勝を達成したエースを逃すわけにはいかん。10億円程度であれば移籍阻止のために金を積み上げ、複数年契約する準備は整っている、と聞いている。本人が年俸を度外視してまでメジャーにこだわれば別だが‥‥。
A 菅野がいなくなっていちばん困るのは、キャッチャーの小林誠司(31)でしょうね。今年は二度の骨折や交通事故が重なる、さんざんなシーズンだった。しかもレギュラーはおろか、菅野の正妻の座まで後輩の大城卓三(27)に奪われる始末。
C 開幕前に坂本勇人(31)と大城のコロナ感染が発覚。実は小林も抗体検査には引っ掛かっていたらしい。悪運の強さでスタメンマスクを手繰り寄せたまではよかったんだけど。
D 巨人はトレードも考えたらしいですが、昨年結んだ3年契約と1億円の年俸がネックになって、引き取り手がないんです。強肩でディフェンス面に定評があっても、打率2割そこそこの選手に1億円を払えるチームはありませんよ。
C 原辰徳監督(62)が「彼は頑健だ」と褒めるほどケガをしないことが、小林の取り柄だった。地に落ちた評価を来季、挽回できるかどうか。
A 反対に虚弱体質のイメージを払拭できたのが、セカンドの吉川尚輝(25)。広島の菊池涼介(30)に肉薄する守備範囲と俊足で入団時からレギュラー候補とされてきましたが、腰の爆弾のせいで戦線離脱することが常だった。そんな「ガラスの二塁手」が入団4年目にして規定打席に到達したんですから。
E 吉川がセカンドのレギュラーに固定されることで、シーズン前からFAで「巨人移籍や!」と言われてたヤクルト・山田哲人(28)の去就が怪しくなってるらしいな。
D 上半身のコンディション不良だとかで出場試合は減り、成績も大きく下げてしまいました。市場価値が下がった今、移籍をやめる可能性も高いでしょう。
C シーズン終盤の消化試合のベンチで山田も「こんなはずでは‥‥」と、青色吐息だったとか。
A DeNAはラミレス監督(46)が退任。三浦大輔2軍監督(46)の「昇格」が既定路線とされていますが、チーム内にはかねてから、その手腕を不安視する声が上がっていました。
D 八方美人というか、誰にでもいい顔しがちな性格ですからね。試合でミスをした選手にも、担当コーチにも厳しく言わない。そんな人が1軍監督を担うことができるのか、と。もし急に厳しい態度になったらなったで、求心力は得られないと思いますよ。
C 実はOBの谷繁元信(49)がバッテリーコーチとして復帰するという話があった。ラミレス監督辞任が明るみに出る以前から、みずから水面下で売り込んだ、と言われています。それを球団サイドも前向きに検討していたと。
D 現役時代はバッテリーを組んでましたからね。
B ところが例の東海大野球部の薬物事件で、谷繁の息子の関与が報じられ、一気にひっくり返った。
A 来季はどうなることやら‥‥。
(年俸は推定金額)
A:ベテラン遊軍記者
B:パ・リーグ関係者
C:球界OB
D:スポーツライター
E:在阪メディア関係者