松坂の陰に秘密兵器!西武期待の新サブマリン、“牧田超え”の実力とは?

 松坂大輔はマイペース調整を貫き、期待のドラ1ルーキー・宮川哲も故障で出遅れ、今井達也はファーム戦で制球難を指摘され……。

 そんな、投手事情の危うい埼玉西武にあって、昨秋、支配下登録を勝ち取った“牧田和久2世”が先発ローテーション入りするかもしれない。3年目のアンダースロー、與座海人への注目が、にわかに高まってきているというのだ。

「熱心な西武ファンの間では知られていましたが、遠目に見たら、かつての牧田ソックリ。首脳陣の間でも先発の6番手に入ってきそうだと期待されています」(スポーツ紙記者)

 3連覇を狙う西武の弱点は投手陣だ。2019年のチーム防御率4.35はリーグワースト。強力打線が失点した分も取り返すという“大味なスタイル”だった。投手陣の再建は80年代の緻密なスタイルを取り戻すためには不可欠だが、ドラフト1位ルーキーの宮川哲が右太股の張りで出遅れるなど、スムーズには進んでいない。そんななかで、「使える」という声が聞こえてきたのが、與座だった。

「與座は3月25日の二軍戦(日本ハム戦)で、4イニングを投げ、失点1。被安打1の1本がホームランでした。その1本を食らった後も冷静なピッチングができたことが高評価につながりました。與座は沖縄尚学、岐阜経済大を経て2017年ドラフト5位で指名されました。しかし、18年途中に右肘を痛め、トミー・ジョン手術のため、いったんは支配下登録から外されましたが、予定よりも早く回復したため昨年11月、再び支配下登録されました。今春のオープン戦で様子を見てから支配下に戻すかどうかを検討しても良かったんですが、オフの間に支配下登録したということは、辻発彦監督も一軍で使うつもりなんでしょう」(前出・スポーツ紙記者)

 大学途中からアンダースローに転向した與座。本人も「牧田を参考にした」と語っているが、“本家”よりも秀でているものもある。直球勝負ができるところだ。牧田のように、走者のいない場面でもクイックを使ってタイミングを外すといった老獪さはない。まだまだ学ばなければならないことも多いが、西武の先発候補は、ニール、高橋光成、今井達也、本田圭佑、松本航。右のオーバーハンドばかりなので、タイプの異なる與座には十分すぎるほどのチャンスがある。

「西武のキャンプ、オープン戦の注目は松坂でした。松坂が目立った分、與座を隠すこともできました」(球団関係者)

 苦労人のサブマリンがリーグ3連覇のキーマンになりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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