メジャーリーガーたちはアリゾナ州に30球団が集結してペナントレースを行う案を優先しつつも、「新型コロナウイルスは日本のほうが先に終息するはず」という希望的観測をもとに、日本開催案も検討されていた。これには「あり得ない話」と米メディアの一部が一笑に付していたが、すでに開幕し、佳境を迎えようとしている“新・野球リーグ”もあった。
「オンライン野球ゲーム『MLB THE SHOW』を舞台にした『MLB THE SHOW プレーヤーズ・リーグ』です。野球ゲームといえども本格的ですよ。各球団を代表して現役30選手がプレーしていて、1チーム29試合の総当たり戦を繰り広げています。実際のペナントレースと同じように、上位8チームがポストシーズンマッチをやって、優勝を決めるそうです。30選手のうち、11人がオールスター戦に出場した人気選手なんです」(米国人ライター)
野球に飢えたファンがそれをネット上で観戦し、応援しているそうだ。
本物のペナントレースはいつ始まるのか検討もつかない。「日本開催案」が出たのも、メジャーリーグ機構と同選手会の話し合いが上手くいっていないからだろう。しかし、オンラインゲームでのペナントレースは、なかなかの評判だという。
「まだ数試合しか消化されていませんが、レンジャーズのジョーイ・ギャロ外野手が無敗で独走状態。MLBの公式HPで観戦できます。白熱した試合にファンの書き込みも多い」(前出・米国人ライター)
メジャーリーグのペナントレースが始まった場合、濃厚接触を避けるため、ロボット審判をつけて、ストライク、ボールを判定させるという。オンラインゲームの反響の大きさを考えると、米国の野球ファンはコンピューターを使う判定にも抵抗がないのかもしれない。
もちろん、ファンが本当に見たいのは、選手たち自身による熱い戦い。しかし、しばらくはオンラインゲームで我慢するしかないようだ。
(スポーツライター・飯山満)