「セーラー服ドラマ」35年の傑作選(5)あの名作、薬師丸版と長澤まさみ版の違いは?

 B級のグラビアアイドルから国民的な女優へと綾瀬はるかが変貌を遂げたのは、ドラマ版の「世界の中心で、愛をさけぶ」(04年、TBS系)だった。映画版の長澤まさみと同じく、病気のために髪が抜け落ちる役に剃髪して臨んでいる。
 
「この翌年の『あいくるしい』(TBS系)もそうですが、ドラマでセーラー服を背の高い人が着こなすようになった00年代以降の象徴と言えます。両作品ともセーラー服を着ての元気な部分と、運命に翻弄されるはかなげな部分の演じ分けが見事でした」(美少女研究家・高倉文紀氏)

 映画版のセカチューのヒロインだった長澤まさみは、ドラマで「セーラー服と機関銃」(06年、TBS系)をリメイクする。あの主題歌も役名の星泉名義で長澤が歌っている。

「薬師丸ひろ子の映画版と比べると、ラストに機関銃をぶっ放しての『カ・イ・カン』のセリフがない、地下鉄の通気口の風によるモンロー服のスカートふわりシーンがない、死んでゆく佐久間若頭へのキスする場面がないなど、賛否両論でした。ただ、白のソックスは薬師丸版や原田知世版と同じで、紺のソックスが主流だった06年には新鮮に映りました」(芸能評論家・織田祐二氏)

 壮絶な女子高生のいじめをテーマにしたのは、北乃きい主演の「ライフ」(07年、フジテレビ系)だ。いじめる側の福田沙紀もハマリ役だったが、よく見れば着こなしに進化が見られたという。

「ネクタイはラフに結んでいて、胸元は適度に開いていて、ウエストの部分は締めて、そして短すぎるスカート丈! 北乃の体のラインがくっきりとわかり、その姿のままドロドロになるほどいじめられるので、不謹慎だが艶っぽさを感じました」(前出・織田氏)

 そして、18年に人妻になったあの名子役の制服姿も懐かしい——。

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