全国から多くのファンが訪れる静岡県の人気ハンバーグチェーン「炭焼きレストランさわやか」は6月3日、今秋から定休日の導入と価格の改定を実施すると発表した。従業員の待遇改善などが理由だといい、ネット上では称賛の声が上がっているが、ファン待望の県外初出店の可能性も期待される。
「さわやかによると、この6月から従業員の時給と評価を見直し、待遇向上と新規人材の確保に取り組んでいて、さらにイキイキと働ける職場の実現のために9月からは原則として毎週木曜日を定休日に。10月からは看板商品である『げんこつハンバーグ』を1265円(以下、税込)から1540円へ値上げするなど一部メニューの価格を改定するといいます。また、営業時間の見直しも行い、開店時間を15分早めて、閉店時間は1時間早めるとしています」(グルメライター)
同チェーンは1977年にオープンし、静岡のご当地ハンバーグチェーンとして地元民から絶大な支持を得てきた。しかし、女優の長澤まさみや『ももいろクローバーZ』の百田夏菜子ら静岡出身の芸能人がファンであることを公言すると、全国メディアに取り上げられるようになり、県外からも多くの客が殺到。店舗によっては2時間待ち、3時間待ちが当たり前になっているところもある。そうした人気ぶりもあって、県外への出店を望む声も多いが…。
「ただ、今回発表された定休日の導入や価格の改定がファン待望の県外初出店につながるかもしれません。さわやかは静岡県外に出店しない理由を公式サイトで、『50店舗・100億円』を目標に県内に目を向け、東部地区を中心に出店を進めていると説明しています。ただ、同社の富田玲社長は22年に浜松学院大学で開かれた特別講義で、東京や神奈川から出店要望があることを明らかにし、『県外出店はあると思う』とも発言しているのです。現在、同チェーンは静岡県内に34店舗を展開し、23年度の売上高は90億円を突破していますから、値上げによって利益がさらに増加し、定休日の導入で人材の確保が進めば、県外進出を検討するターニングポイントになるのは間違いありません」(経営コンサルタント)
さわやかのハンバーグが静岡以外の地域で食べられる日もそう遠くないのかもしれない。
(小林洋三)