創業者逝去・静岡「炭焼きレストランさわやか」人気の火付け役は長澤まさみだった

 静岡県内でチェーン展開する「炭焼きレストランさわやか」が3月13日、Xを更新。創業者の富田重之氏が死去したことを発表した。14日については「全店休業してスタッフ一同 創業者を偲び 想いを馳せるお時間をいただきます」と報告している。

 炭焼きレストランさわやかは、1976年に開業。現在、静岡県内で30店舗以上を展開している。看板メニューは、げんこつのような丸い形をした牛肉100%の「げんこつハンバーグ」。熱々の鉄板に乗った状態で提供され、この時点では中心部まで火が通っていない。テーブル上でスタッフが半分にカットし、断面を鉄板に押し付けて焼き上げてくれる。煙が立ち上がるとともに「ジューっ」という音が、なんとも食欲をそそる。

 静岡県内のみでのチェーン展開だが、同店の「げんこつハンバーグ」を全国区にした立役者の1人が、女優の長澤まさみだ。2007年5月放送のバラエティ番組「メントレG」(フジテレビ系)に長澤が出演。長澤がお気に入りの飲食店を3つ紹介する企画で、そのうちの1つが地元の静岡県磐田市にある、さわやか磐田本店だった。長澤はげんこつハンバーグが子供の頃から大好きで、〝さわやかになって帰れる〟などと紹介。15年11月配信の「withnews」によると、〝長澤効果〟の影響か、同社の翌年の売り上げは10%増。社内では、長澤が紹介したことを「天使からのラブコール」と呼んでいるという。

 今や全国区の人気店となったさわやか。それにしても、なぜ店舗は静岡県内にしかないのか。

「さわやかのハンバーグは静岡県袋井市にある工場から毎日各店舗へと発送されています。その日届いたハンバーグは、その日に使い切るのが原則。賞味期限も非常に短く、移動距離が長くなる県外への発送は現実的ではありません。そのため、静岡県内のみで店舗展開しています」(フードライター)

 げんこつハンバーグを食べるには静岡に行くしかない。

(石田英明)

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