映画の世界では薬師丸ひろ子がマシンガンをぶっ放す女子高生を演じた「セーラー服と機関銃」(81年、角川映画)がセンセーショナルな話題となった。以降、何度も映像化されているが、初めてドラマ化された「セーラー服と機関銃」(82年、フジ系)では原田知世がヒロインの星泉を演じた。
美少女研究家・高倉文紀氏が言う。
「主人公が変わると、こうも印象が変わるのかと思いましたね。映画の『時をかける少女』は都会的なブレザー姿でしたが、80年代はまだまだセーラー服が主流だったことを思い出させます」
スポーツドラマの傑作とされる「スクール☆ウォーズ」(84〜85年、TBS系)では、ラグビー部のマネージャー役を岩崎良美が演じた。
「岩崎良美は同時期に『タッチ』の主題歌も大ヒットして、高校生のスポーツ物の女神という感じですね。このドラマでは長袖のセーラー服が印象深く、いつも部員たちのジャージを洗濯している場面が記憶に残ります」(漫談家・ユリオカ超特Q氏)
そしてドラマ・映画ともにセーラー服の当たり役が多い中山美穂の登場である。中学生たちの性衝動をコミカルに描き、シリーズ化されたのが「毎度おさわがせします」(85年、TBS系)だ。
「ちょっと不良で、気立てが良くて、性にも積極的というヒロイン像は、嫌いな要素がひとつもなし(笑)。たびたび『お前、ホウケーだろ!』とか『ハダカも見たい?見せてあげよっか?』など過激なセリフを口にしていました」(芸能評論家・織田祐二氏)
さて、冒頭の「スケバン刑事」の人気は、いわゆる“後追いドラマ”も生んだ。幻の名作とされる「セーラー服反逆同盟」(86〜87年、日本テレビ系)がそれだ。ここでも中山美穂が粋なセーラー服姿でキメている。
「中山美穂と仙道敦子の夢の共演でしたが、前半は中山が別の仕事で忙しかったのか、仙道を中心に展開。ふだんは紺のセーラー、戦いの時は白セーラーで、2倍に楽しめました。後半にミポリンが戻ってくると、さらにパワーアップ。決めゼリフは『闇の中でのさばり続ける悪党ども、てめえらのようなワルは許さねえ、天に代わって成敗する』まで仙道、続けて『純潔と燃える正義の』がミポリン、最後は4人そろって『セーラー服反逆同盟!』で、カッコよかった」(前出・織田氏)
ヤンキー風ドラマといえば、あの人のインパクトも絶大——。