公取委がついにメス!?グルメサイト「予約席囲い込み」の弊害

 公正取引委員会が「ホットペッパー」「ぐるなび」「食べログ」など大手グルメサイトの飲食店予約座席の囲い込みを問題視していると、11月29日付けの「日本経済新聞」が報じた。
 
 公取委は、今年9月から進めていたグルメサイトの実態調査で、サイトや飲食店を対象に聞き取りをしたところ、一部サイトでの予約席の囲い込みがあると判明したといい、これが独占禁止法に違反する恐れもあるとみられている。
 
「飲食店は、複数のサイトからの予約をまとめて管理できるソフトを利用しているところもありますが、グルメサイト側からそうしたソフトの利用を制限されたり、圧力をかけられて他社サイトから予約をできないように迫られるなど、“予約席の囲い込み”が行われているのではないかと指摘されているのです。グルメサイトは自社サイトから飲食店を予約されれば手数料が入るため囲い込みによって利益を得られますが、飲食店にとっては一部サイトからしか予約できず空席が増えるなど、デメリットが多いのです」(社会部記者)

 他にもグルメサイトでの予約には、飲食店側を苦しめる“ある実態”が判明している。
 
 最近、逮捕者が出たことでも大きな話題となった飲食店への無断キャンセル問題。経済産業省によれば、無断キャンセルによる年間被害額は2000億円にのぼるというが、実はこの無断キャンセルの大半がグルメサイトからの予約という調査結果も出ているのだ。
 
「飲食店の予約・顧客管理システムを開発する『TableCheck』が11月22日に発表した調査結果によると、無断キャンセルをした際に利用していた手段のなんと50.8%が、グルメサイトだったことが明らかになったのです。飲食店からすれば、予約席の囲い込みをされた上に無断キャンセルまでされてしまっては、たまったものではありませんよね」(経営コンサルタント)

 飲食店のあまりにも不利な立場は公取委の調査によって改善されるか、注目が集まる。

(小林洋三)

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