松井秀喜氏の“巨人監督就任”最大のハードルは「家族の問題」

“ミスタープロ野球”こと長嶋茂雄さんの告別式が、都内の斎場でしめやかに執り行われたのは6月8日。

 式では、長年師弟関係にあった松井秀喜氏が「弔辞」を捧げ、長嶋さんとの間で交わされた“約束”について改めて言及。原稿を持たず、一言ひと言を噛み締めながら語る姿には、感極まって涙ぐむ場面も見られた。

「監督が何を望んでいるか、自分の心の中で聞いてみる。それで答えを出したい」と語っていた松井氏。誰もが思い浮かべるのは、“巨人軍・松井監督”の誕生だ。

 現在、巨人を率いるのは阿部慎之助監督。昨年から3年契約で指揮を執っており、来季まで続投が確定している。

「松井は後輩でもある阿部を押し退けるような形での就任は望んでいない。それが松井らしい慎重さであり、誠実さです」(チームOB)

 読売グループは昨年4月、旧築地市場跡地に5万人収容の新球場を建設する計画を発表している。山口寿一社長は「巨人が移転するという前提ではない」としているが、ともあれ完成予定は2032年だ。

「そのとき松井氏は58歳。奇しくも、長嶋さんが浪人生活12年を経て再び巨人の監督に就任した年齢も近く、57歳の時でした」(球界関係者)

 松井氏にはこれまでも複数の球団から監督オファーがあったとされるが、本人は一貫して静観を貫いてきた。そうした中、巨人の監督になる上で「最大のハードル」と言われているのが“家族”の問題だ。

「松井さんは2008年に8歳年下の夫人と結婚。男児2人に恵まれていますが、“絶対に家族をマスコミに出さない”という約束で結婚しています。MLB現役時代にも、観客席の家族を撮影しないという不文律がありました」(スポーツ紙記者)

 松井氏は今月12日で51歳を迎える。巨人監督としてベンチに立つ日が訪れるのは、もう少し先の未来となりそうだ。

(小田龍司)

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