日本人「万里の長城」尻出し事件で「中国の尊厳なくなる」発言にツッコミ続出

 まさか世界遺産でそんな破廉恥行為に及ぶとは…。中国の世界遺産「万里の長城」で今年1月、20代の日本人観光客の男女が尻を出して写真撮影をしたとして中国当局に一時拘束され、強制退去処分になっていたことが3月13日に報じられた。

 男性が尻を出し一緒にいた女性が写真を撮影していたところ、警備員らに取り押さえられたというのだが、2人は北京の日本大使館での聴取に対し、「悪ふざけだった」と説明。中国では公共の場で下半身などを露出する行為は、治安管理処罰法違反に該当するため、2週間拘束後、日本への強制退去処分になったという。

 このニュースが報じられるや、Xのトレンドや、ヤフーのリアルタイム検索では瞬く間に「万里の長城」のワードが急浮上。SNS上にも《日本人としてマジで恥ずかしい》《日本人がみんなこうだと思われたらたまらない》といった意見のほか《日本でもマナー違反するツーリストを厳正処罰すべき》《この対応は日本も中国に見習うべき》といった意見も散見された。

 確かに、中国人による世界の観光地でのマナー違反は相変わらずで、日本の観光地でもトラブルが後を絶たず、中国語でマナー違反の詳細を掲示している観光地も少なくない。そんな中、このニュースを取り上げた某テレビ局が「拘束されて当然だ。マナーが悪いからでしょう。こんな行為を制止しないと、中国の尊厳がなくなる」という中国人女性のインタビュー映像を放送。案の定、SNS上には《いやいや、どの口で言ってるんだよ?》《そう、日本の尊厳もなくなるんだよ》といったツッコミが続出することになった。

 中国事情に詳しいジャーナリストの話。

「中国人の観光地におけるマナー違反トラブルで有名なのが、2016年9月に起こった『エカテリーナ宮殿おしっこ』騒動。これはロシアのサンクトペテルブルクにあるエカテリーナ宮殿を観光で訪れていた中国人一家が、尿意を伝えた子供にその場でおしっこをさせたというものです。中国の田舎町では、街角だろうがスーパーだろうが、子どもが尿意を催した場合、どこでも立ち小便をさせるのが普通なのですが、まさかそれを世界遺産でやってしまうとは…。この騒動は世界中に配信され、大きな話題になったものです」

 15年にも自国の江蘇省南京市にある世界文化遺産「明孝陵」で、若い女性が600年前に作られた石像によじ登り、写真撮影したことが中国メディアで大々的に報じられたこともあった。

 さて、日本では来月に入ると、そろそろお花見シーズンを迎えることになるが、

「新型コロナウィルスの影響で、しばらく中国の旅行会社による花見ツアーも中止されていたのですが、一時期は発売すれば即完売になる売れ行きで、日本旅行の目玉となっていた。ところが、日本と中国との間ではただでさえマナーに隔たりがあり、そこに酒が入るわけですからね。結果、あたりかまわずゴミは捨てるは、放尿するは、木に登って枝は折るはなどの花見トラブルが続出。自治体も対応に頭を痛めていたものです」(同)

 むろん中国人だけでないが、インバウンドによる撮影禁止場所での動画・写真撮影や歩きタバコ、予約の無断キャンセル、公衆浴場や温泉での入浴マナー違反は相変わらず。とはいえ基本、日本では仮に軽犯罪法違反等で逮捕されても不起訴になる可能性が高いため、言い方は悪いが、やりたい放題の状況が続いている。

 今回の中国での事件に対しSNS上には《強制退去は当然のこと。日本も見習うべき》といった意見が大半を占めるこの事実を日本政府もきちんととらえ、対処策を講じてもらいたいものだ。

(灯倫太郎)

ライフ