地方企業は「労働者不足」で悲鳴!外国人技能実習生の「賃金安で日本離れ」仰天実態

 今や日本には欠かせない労働力となっている外国人就労者。1月末に発表された厚生労働省の「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」によると、もっとも多いのはベトナム人の57万708人。以下、中国(香港・マカオ含む)の40万8805人、フィリピンの24万5565人と続いている。

 特に1位のベトナムは、技能習得を目的とする「技能実習生」の占める割合も39.1%(22万3291人)と最多だ。当然ながら、労働力の確保が難しい地方では重要な働き手となっているが、最近はそんなベトナム人技能実習生の「日本離れ」が始まっているという。理由は、彼らにとって日本が決して好条件な国とは言えなくなってきたからだ。

 厚労省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、日本における外国人技能実習生の平均月収は18万1700円で、外国人労働者全体の平均月収(23万2600円)より、5万円以上下回っている。

 ベトナムには、海外に人材を派遣する政府公認の送出機関が数多く存在し、ある機関の担当者から話を聞くことができたが、その人物によれば、「最近は日本以外の国を選ぶ者も多い」とのことだった。実際、現在は台湾や韓国でも日本の技能実習生同様の育成就労制度が整備されている。ただ、台湾は日本より賃金は少ない。それでも台湾を選ぶ理由は何なのか。

「台湾は基本的な賃金こそ安いですが、一応、ルールはあっても上限を超える残業も可能ですし、仕事を掛け持ちする者もいる。厳しく取り締まることもないため、その気になれば日本よりも多くの金を母国に送金できます」(外国人の育成就労制度に詳しい全国紙記者)

 こうした傾向は、外国人の技能実習生を受け入れてきた日本の企業にとっては脅威だ。10年ほど前から彼らを受け入れている建設会社の経営者は、「日本に来る技能実習生が減ると労働力の確保が難しくなり、会社にとっては死活問題」と苦しい胸の内を明かす。

 日本はもはや、新興国の若者にとって魅力的な国ではなくなりつつあるのかもしれない。

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