財務省が7月3日に発表した22年度の一般会計決算によれば、税収は71兆円超えで過去最高を更新した。にもかかわらず、一般庶民はこれから訪れる「無限増税」に戦々恐々としている。政治ジャーナリストが語る。
「岸田文雄総理はもはやプライマリーバランス(基礎的財政収支)を重視する財務省の言いなりという見方が一般的。政府税制調査会が岸田総理に提出した中期答申には、さまざまな増税プランが盛り込まれており、このリストによれば、退職金から通勤定期代、社宅利用料にまで課税し、さらに扶養控除などを減額していく方針だとか。23年度の国民負担率は46.8%になる見通しですが、このまま岸田政権の増税政策が進めば『五公五民』の50%に達するのは時間の問題でしょう」
日本国民が増税地獄にあえぐ一方で、臨機応変に消費税減税を打ち出したのがベトナムだった。「日本貿易振興機構」は7月10日付のビジネス短信で《ベトナム政府は、2023年7月1日から12月31日まで、付加価値税(VAT)の税率を現行の10%から8%に引き下げる。経済成長が減速する中、財政政策により景気を下支えする狙いだ》と発信した。
これを受けて7月14日放送のラジオ番組「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(TBSラジオ)に電話出演した京都大学大学院工学研究科教授の藤井聡氏は次のように語った。
「現状10%のいわゆる消費税を2%減税して8%にすると…。じつはベトナムはかなり柔軟に消費税率を変えておりまして、これまで何度も何度も消費減税を行っていて」と解説。さらに「ベトナムは日本よりも経済成長率が高いんですけど、少しでも経済成長率が鈍化すると、消費税率を引き下げるということをやってきていますから。本当にうらやましいですね。こういう政府は」とベトナム政府を褒めちぎり、「日本もこれだけ経済が苦しい状況ですから、10%じゃなくてベトナムを見習って8%、5%へと減税するというのが、日本経済にとっては絶対プラスであるというのは間違いない」と締めくくった。
すでにネット上では《ベトナム政府よりはるかに劣る日本政府と財務省》《ベトナムにできて日本にできない?どういうこと?》といった書き込みが見られていたが…。
「ベトナムだけではありません。世界的に拡大した新型コロナや物価高の影響で、これまで100以上の国と地域が付加価値税(消費税)の減税を実施しています。たとえばポーランドは肉や魚などの食料品を5%から0%に、ペルーやカンボジアも基本的な食料品にかかる付加価値税を撤廃しています」(前出・ジャーナリスト)
日本が「減税後進国」であることは間違いないようだ。
(コレッシュ山本)