ベトナム人女性たちをピンク産業で働かせて荒稼ぎしていたピンク店の経営者が11月10日、入管難民法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕された。
「違法行為に手を染めていたのは、いわゆるデリ系のピンク店。おもに東京・鶯谷のホテル街に女性たちを派遣して、1回のプレイで1万円から2万円の料金を取っていました。今回、経営者2人とともに従業員のベトナム人女性3人が逮捕されていますが、最盛期には30人ものベトナム人女性を雇っていた様子。このコロナ禍にもかかわらず、今年だけで約1億円もの売り上げがあったそうです」(社会部記者)
言うまでもなく技能実習ビザで入国した外国人女性が、性産業で働くのは入管難民法違反(資格外活動)にあたる。報道によれば、今回、逮捕されたベトナム人女性は「コロナで生活が苦しく、実家への仕送りもあり、金を稼ぎたかった」と供述しているという。
夜の情報誌で活躍するジャーナリストの太田すがも氏は今回の事件を受けてこう話す。
「ベトナム人の女性がピンク産業に従事していたとは驚きです。以前、ベトナム流の艶マッサージを売りにした怪しい店舗が都内某所にありましたが、デリ系ではほとんど聞いたことがありませんでしたから。確かに、アジア系の外国人女性をウリにするお店は昔からありました。しかしその大半は中国や韓国。ごくまれに東南アジア出身を謳う女性もいましたが、ベトナム人女性がいるピンク店とは初耳です」
今回、摘発を受けた店舗「B」の公式サイトはすでに閉鎖されているが、ある事情通によれば、「女の子の出勤情報はこまめにアップされていた。ただ、国籍までは記載していなかった。源氏名もアスカとかナナとか、カタカナでボカしていたようだけど、プロフィール写真を見ると、日焼けした子が多かったので怪しいと思っていた」とのこと。
ピンク産業の関係者はこんな裏事情を明かす。
「外国人女性を不法に働かせるケースは多い。今回の逮捕劇は氷山の一角でしょう。技能実習生として来日したものの、勤務先になじめなかったりコロナ禍で倒産したりして、そのまま行方がわからなくなってしまったような女性たちの受け皿になっているのは事実。ピンク店のホームページにそのまま『ベトナム人』なんて書いたら、真っ先に当局にマークされるから、中国や台湾など、他の国籍に偽装するのは当たり前。しかもプロフィールにわざわざ『既婚者』と明記して、日本人と国際結婚したかのように見せかけるケースもある」
世界的なコロナ禍のなかで、帰国もままならず、日本で困窮生活を強いられる外国人女性は意外と多いようだ。
「私が知っているケースでは、6畳ほどのワンルームに、4〜5人の外国人女性を押し込んで、ほぼ24時間体制で働かせる店舗もあった。そうした違法店では、ピンク嬢は客とのプレイ中に母国語で話すことを禁じられ、勤務時間外でも“寮”からの外出が制限されていたそう。いずれも当局の摘発を恐れての対策のようだけど、かなり法外な寮費を取られるなど、ピンハネに泣かされている外国人女性は少なくないと聞きます」(前出・関係者)
コロナ禍に横行する“偽装ピンク店”の実態。その闇は想像以上に深そうだ。
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