「200円以下で入れる格安温泉」を探してみると意外に多かった!

 光熱費の高騰や人件費の上昇に伴い、各地で相次ぐ公共浴場の値上げ。東京都の場合、年号が令和に変わって時点では大人1名の入浴料は460円だったが、それから6年の間に5度の値上げを繰り返し、現在は550円だ。

 他の道府県も同様で今も入浴料が300円台なのは4県のみで、それ以外は400~500円台。施設ごとに料金を設定できるスーパー銭湯も値上げラッシュの状況が続いている。

 だが、そんなご時世でも入浴料200円以下の超良心的な公共浴場もある。調べてみると意外と多く、それも温泉ばかりだ。もちろん、温泉といってと山の中などに勝手に湧き出ている野湯ではない。

 実は、温泉地の中には地元の人たちが管理する共同浴場があり、営利目的ではないから入浴料も安いのだ。そうした性質の施設ゆえに地域住民以外は利用不可の場合も多いが、一般客の利用が可能なところも少なくない。

 例えば、19カ所ある草津の共同浴場の大半は住民専用だが、湯畑近くの「白旗の湯」「千夜の湯」「地蔵の湯」の3カ所は観光客にも開放。入浴料はなんと無料だ。

 しかも、同じ群馬県にある四万温泉の「河原の湯」「上の湯」「御夢想の湯」、長野県の野沢温泉にある13カ所の共同浴場も無料。有料の場合でも蔵王(山形県)や別府(大分県)、湯布院(大分県)といった全国区の温泉地にも入浴料200円の格安共同浴場がある。特に別府は競輪場内に入浴料110円とさらに安い「競輪浴場」もある。ただし、ここで紹介したのはあくまで一部にすぎない。

 先日、記者は取材で弘前(青森県)を訪れた際、弘前の奥座敷と呼ばれる大鰐温泉に宿泊。ここにも一般利用可能な共同浴場が3カ所(各200円)あることを知り、湯めぐりすることに。どれも昔ながらの雰囲気を残す浴場で、至福のひと時を過ごすことができた。

 こうした無料や格安の温泉は、一部を除いてタオルの販売、レンタルは行っていない。さらに住民以外の利用は、地域内の旅館などの宿泊客に限定している場合もあるので注意が必要だ。

 なお、入浴料無料の共同浴場でも入口に寸志箱を置いてあるところも多い。施設の管理もタダではできないため、利用した際には気持ちとしていくらか納めるようにしよう。

(高島昌俊)

※画像は大鰐温泉の共同浴場「若松会館」

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