現在、千葉県鎌ケ谷市に本拠地を置く日本ハム2軍。かねてより1軍と同じ北海道に移転するとの噂が流れていたが、6月下旬に各メディアが一斉に「30年ごろまでに移転する方針を固めた」と報じた。
球団は6月26日に「コメントできることはない」と事実関係への言及を避けたが、明確に否定しておらず、近日中に正式発表との一部報道もある。いずれにしても、1軍と2軍の本拠地がこれほど離れているのは12球団で日本ハムだけ。他球団では日中は1軍登録の選手が調整などで日中は2軍、夜は1軍の試合に掛け持ちで出場することも時々あったが、日本ハムではそれができず、長年の懸念材料だった。
そのため、実現すれば球団にとってプラスなのは間違いないが、対戦相手にとっては2軍の試合でも北海道まで移動を強いられることになる。事実上、移動手段は飛行機の一択になるため、遠征費用の面で大きな負担だ。
ちなみにプロ野球の2軍は26年シーズンから3リーグ制に移行することが発表済み。日本ハムは西武、ヤクルト、ロッテ、楽天、オイシックスの6球団の「東地区」に所属することが決まっている。ネット上では2軍のみのオイシックスについて《他球団より財政面で劣るし、北海道での試合は経費的に大変そう》なんて野球ファンからの心配の声も寄せられている。
「プロ野球の2軍の年間運営費は最低6億円と言われています。ただし、日ハムが北海道に移転した場合、ファーム東地区の各球団も北海道での試合増に伴い、遠征費用の増額を強いられます。オイシックス以外の球団にとってもそうですし、特に日ハムはビジターでの試合はすべて飛行機移動のため、遠征費用は大幅に増えるでしょうね」(スポーツ紙記者)
なお、肝心の日本ハムの移転先については、エスコンフィールドのある北広島市に隣接する恵庭市や江別市、空港のある千歳市やその南に位置する苫小牧市、また道内第2の都市の旭川市などの名前も挙がっている。現時点では未定だが、それとは別にこんな問題もある。
「日ハムの2軍は毎年、函館や旭川など道内の各都市で試合を行いますが、移転後は試合数が増える可能性が高い。北海道内でも札幌圏以外だとさらに移動時間がかかり、移転を歓迎している球団は少ないでしょうね」(同)
それでも米国のマイナーリーグの過酷な移動に比べれば、かなりマシだとは思うが…。
※写真は、現在の日本ハム2軍の本拠地・鎌ケ谷スタジアム