スマートフォン向けのタクシー配車アプリを使用してタクシーを呼んだにも関わらず、無断キャンセルをする利用者が続出している。タクシー会社は注意喚起をしているものの、改善される様子がないようなのだが、一方でネット上では、アプリの問題点を指摘する声も少なくない。
「2011年に全国タクシー(現JapanTaxi)がスタートさせたタクシー配車アプリは、現在は大手IT系企業が参入して利用者も増えていますが、その一方で無断キャンセルも急増している。理由としては、複数のアプリで同時にタクシーを手配して一番早く到着したタクシー以外をキャンセルしたり、配車を頼みながら見つけたタクシーに乗りキャンセルしたりといった人が増えていることが挙げられます。名古屋タクシー協会などでは、すでに1年ほど前に“配車申し込みに関するお願い”をHPに掲載するなど“無断キャンセル問題”が顕在化していたが、いまだに減少する気配はないといいます」(業界関係者)
ただし、こうした状況にネット上では、《クレジットカードの登録を義務付けてキャンセル料を取ればいいだけなのでは》《単にキャンセルを繰り返す客は利用できないようにすればいい》といった、アプリやシステム側の問題を指摘する声も多く見られる。
「世界70カ国以上で展開するライドシェア大手のUberでは、クレジットカードの登録が必須となっており、利用者側の一方的な理由によるキャンセルにはキャンセル料が徴収されるようになっています。また、無断キャンセルなど問題行為の多い利用者は評価が下がり、ドライバーから配車拒否されるというシステムまであるのです。それに比べて、日本の配車アプリは特にペナルティーがないことから、無断キャンセルをしてしまう人も多い。配車アプリの普及の意味もあり、現時点では、あまりハードルが上げられないというジレンマもあるのでしょう」(経済評論家)
そろそろ、無断キャンセルをしづらい環境を作ることが必要な時期にきているのかもしれない。
(小林洋三)