改札はクレカ「タッチ決済」が主流に、交通系ICより優れたメリットとは

 公共交通機関の決済で全国的に普及している「Suica」「PASMO」「ICOCA」などの交通系ICカードだが、2025年はクレジットカードによる「タッチ決済」が、存在感を強めていきそうだ。

 コンビニなどでの支払いでおなじみとなったクレカのタッチ決済。店頭レジで決済端末にカードをタッチするだけで支払いが完了する。スピーディーに決済できるうえ、カードを他人に手渡しすることなく、衛生面でも安心だ。海外でもタッチ決済のマークが表示されているところでは利用できる。

 タッチ決済はバスや鉄道など全国の公共交通機関でも勢いを強めている。公共交通機関向けタッチ決済乗車サービス「stera transit(ステラトランジット)」を展開する三井住友銀行によると、2024年度は180社、25年度は230社がタッチ決済を導入する見込みだという。これにより、大手民鉄16社・公営地下鉄8社の70%の駅が対応する予定だ。都市部だけでなく、地方のバスやフェリーなどにも導入の波が押し寄せてきている。

 導入の一例を挙げると、首都圏では東急電鉄が全駅でタッチ決済が可能(一部実証実験)。京王電鉄でも一部の駅を除いて利用できる。都営地下鉄、京浜急行電鉄は23年12月から実証実験を開始。大阪・関西万博を控える関西圏では、南海電気鉄道、近畿日本鉄道、阪神電気鉄道、阪急電鉄、大阪メトロの主要駅ですでに導入済みだ。

 タッチ決済は交通系ICカードの牙城を崩すことができるか。

「所有するクレカ(タッチ決済対応)を使えるので、事前登録などの手間がかかりません。クレカでの買い物と同様、電車に乗るだけでポイントが貯まります。しかもチャージする必要がありません。改札での処理速度は交通系ICカードに劣るといわれていますが、それほど気になるほどではなく、慣れてくれば問題はないでしょう。タッチ決済はメリットだらけです」(マネー誌ライター)

 25年、タッチ決済の普及に注目だ。

(石田英明)

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