「東京ドーム」完全キャッシュレス化に飛び交う「不安」と「大賛成」

 総額100億円規模の大改修がおこなわれ、3月2日にリニューアルオープンしたばかりの読売巨人軍の本拠地「東京ドーム」。巨人には年配のファンも多いため、リニューアルの目玉のひとつである“完全キャッシュレス化”には批判もあるが、その一方で賛同する声も少なくない。

「新装開店した東京ドームは、従来から約4.4倍となる巨大LEDビジョンが設置され、顔パスができる顔認証システムも導入されました。しかし、巨人ファンが一番驚いたのは現金が一切使えない完全キャッシュレス化ではないでしょうか。場内のチケットカウンターや飲食やグッズが販売される売店はもちろんのこと、客席を回るビールの売り子に至るまで現金は使用できず、決済はクレジットカードや『Suica』などの電子マネー、『PayPay』などのコード決済のみとなっているのです」(スポーツライター)

 完全キャッシュレス化は新型コロナウイルス対策でもあるが、シニア世代にはキャッシュレス決済に不慣れな人も多く、《高齢者に厳しい世の中になった》と批判の声もあるが、その一方で《あれだけ文句言われたセルフレジだって普及した。ある程度の強制力は必要だと思う》《ドーム内ではチャージ済みのSuicaも販売されているみたいだし、余ったら駅で払い戻せばいいから問題ない》《むしろ高齢者がキャッシュレスに移行できるいい機会だと思うが》など擁護する声も多く見られる。

「キャッシュレス化と聞くと途端に不安になってしまう人もいるようですが、プロ野球の球場では楽天ゴールデンイーグルスの本拠地『楽天生命パーク宮城』では2019年から完全キャッシュレス化していて、まったく問題なく運営されていますからね。しかも、20年に三井住友カードが調査したところによると、シニア世代のおよそ7割がふだんの買い物でキャッシュレス決済を利用していると回答していますから、現金しか使えないという人もそれほど多くはないのではないでしょうか。国がキャッシュレスを推進する中で、東京ドームが完全キャッシュレス化になったという意味は大きいと思いますし、今後はさらに普及していくのでは」(フリージャーナリスト)

 キャッシュレスが当たり前の時代がもうすぐやって来る。

(小林洋三)

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