視聴率低迷「ニッポンノワール」はラグビー効果を差し引くと絶好調だった!?

 10月13日にスタートした賀来賢人の主演ドラマ「ニッポンノワール -刑事Yの反乱-」(日本テレビ系)が低調発進だ。第1話の視聴率は7.8%で、日曜劇場としては18年7月期の加藤シゲアキ主演「ゼロ」以降で最低の数字に留まった。

 本作は、今年1月期に同じ枠で放送された大人気ドラマ「3年A組」の半年後が舞台。出演者も一部重なっており、SNS上にはこの低空スタートに驚きの声が続出している。

「このオマージュに対しては否定的な声も大きく、一部のメディアでは視聴率を下げた原因だと分析しています。しかし『3年A組』との関連性は放送中に初めて明かされており、そこで大勢の視聴者がチャンネルを替えたとは考えづらい。それゆえ視聴率低迷の理由は別に原因があるはずです」(テレビ誌ライター)

 それでは他の理由とは何なのか。主演の賀来賢人が弱いのか、警察ものというストーリーなのか。先のテレビ誌ライターは、別の角度から分析すべきだと指摘する。

「果たして7.8%という数字は低かったのでしょうか。この日はラグビーワールドカップの日本vsスコットランド戦が開催され、劇的勝利で日本が決勝トーナメントに進出。試合は21時41分にノーサイドを迎え、その後も日本中が日本代表の快勝劇に酔いしれていたのです。NHKでは21:59開始の『サンデースポーツ2020』で試合結果を詳報し、そちらにチャンネルを合わせた人も多かったのは確実。そのため浮動票的な視聴者たちが、22:30開始の『ニッポンノワール』にチャンネルを合わせなかった可能性も否定できません」

 実際、ラグビー中継の裏番組だったNHK大河ドラマ「いだてん」は、これまでのワースト記録だった5.0%を大きく下回る3.7%に沈没。また、日曜日のゴールデン枠で一番人気となっている「ポツンと一軒家」(テレビ朝日系)も16.4%と数字こそ好調に見えるが、前週の19.9%からは大きく数字を下げていた。

「『いだてん』から2.3%、『ポツンと一軒家』からは3.5%の視聴者がラグビー中継に吸い取られたと考えられます。そこから類推すれば『ニッポンノワール』も2〜3%分の視聴者が失われたと想定することは無理筋ではない。つまり本来なら、1月期の『3年A組』第1話がマークした10.2%に並ぶ数字を獲れていたと考えられるのです」(前出・テレビ誌ライター)

 第2話が放送される10月20日は、因縁の日本vs南アフリカ戦が19:15にキックオフの予定。ここでもラグビー中継による影響が予想されるため、「ニッポンノワール」が持つ本当の数字は、第3話以降で推し量るのが確実なのかもしれない。

(北野大知)

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