全20話にわたったドラマ「あなたの番です」(日本テレビ系)が9月8日に最終回を迎え、視聴率19.4%で有終の美を飾った。これは同じ日曜ドラマ枠で1月クールに放送された「3年A組」がマークした15.4%を大きく上回り、同枠の最終回としては史上最高の数字となったという。
「4月にスタートした第一章は平均視聴率が7.0%と沈没し、同11.5%の『3年A組』とは比べるべくもない体たらくでした。それが第二章の反撃篇では一気に盛り返し、第二章の平均視聴率は『3年A組』と並ぶ11.5%へと大きく向上。人気作品の続く日曜ドラマ枠で、なんとか体裁を保った形です」(テレビ誌ライター)
ただ、この数字をもって「あな番」人気を推しはかるのは早計だという。正直なところ「あな番」の平均視聴率は、19.4%を叩き出した最終回に救われた形。しかもその日は台風15号の影響で在宅率が極めて高く、〈せっかくだから『あな番』とやらの最終回でも観てみるか〉というイチゲンの視聴者が多かった可能性が高いからだ。それも含めて同作はやはり「3年A組」には敵わなかったという。テレビ誌ライターが続ける。
「なにより内容に対する評価で大きな差がついているのです。『3年A組』の最終回では、主人公の高校教師を演じた菅田将暉が7分間にもわたってカメラ目線で訴えかける場面が大きな話題となり、多くの視聴者が《感動した!》《心打たれた》と絶賛。それに対して『あな番』では主人公を演じた田中圭が連続殺人犯の正体を暴いたものの、その犯行内容や動機には疑問の声が続出し、ラストシーンの含みを持たせた演出にも賛否両論が寄せられる形となっています」
そんな両作品の違いは、主演俳優の評価にも影響するかもしれないというのだ。
「菅田は『3年A組』の熱演により、青春映画でしか活躍できないとのレッテルを払しょく。7分間の独白シーンで口にしたセリフが実はアドリブだったことが分かると、業界内での評価も爆上がりしました。それに対して田中は、最愛の妻を失った悲しみを精いっぱい演じたものの、大げさな演技に感情移入できない視聴者が続出。しかも視聴率が向上した第二章では実質的な主役を横浜流星に奪われてしまい、存在感がかすむ有様だったのです。話題性という点では甲乙つけがたい両作品ですが、少なくとも田中にとっては『あな番』が代表作になることはなさそうですね」(前出・テレビ誌ライター)
その田中を巡っては「あな番」の放送中も、8月23日に公開された主演映画「劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」が話題になっていた。やはり田中にはコミカル要素の強い作品のほうが合っているのかもしれない。