日本初のバイラルメディアを標榜する匿名ニュースサイト「netgeek(ネットギーク)」に掲載された記事で名誉を傷つけられたとして、運営会社や代表者を相手に4月8日、ITコンサルタントや大学教授ら5人が損害賠償を求める集団訴訟を起こした。原告団の一人は「集団リンチを見せて見物料を取っているようなもの」と、同サイトの姿勢を批判している。
テレビの報道番組もこの集団訴訟について特集。原告団にはnetgeekに事実無根のニュースを書かれ、顔写真まで掲載された一般人女性も含まれていたとのことで、netgeek運営会社を直撃取材(不在)するなど、大きな扱いとなっていた。
訴訟の行方については予断を許さないが、今回の「匿名サイトを告訴」というトピックを巡り、この1〜3月に大ヒットしたドラマのストーリーを重ね合わせている人も少なくないという。テレビ誌のライターが指摘する。
「ネット上の正体も分からない書き手を相手に闘うという図式が、ドラマ『3年A組』(日本テレビ系)で菅田将暉の演じた主人公・柊一颯に重なるのです。『3年A組』の最終回では柊が、ドーピングを疑われた水泳部のエースが自死を果たした本当の原因は、SNSユーザーたちによる無責任な書き込みにあったと断定。ネット生放送を利用し、SNSユーザーに対して命を懸けた抗議とメッセージを送る姿がハイライトとなりました。今回の集団訴訟はそこまでドラマチックではないものの、これまで“匿名”と思われていたニュースサイトの運営者が特定され、裁判という手続きを使って対抗しようとする図式が、『3年A組』の視聴者に響いているようです」
確かにネット上には《これが柊先生の言っていたことだ!》《3年A組のおかげで考え方が変わった》といった感想が散見された。柊一颯が実在の人物だったのであれば、今ごろ草葉の陰で「Let’s think!」とつぶやいているに違いない。
(白根麻子)