視聴率低迷だけじゃなかった…TBS「世界ふしぎ発見!」“打ち切り”の決定的要因

 今年で放送開始38年目を迎えるTBSの看板クイズ番組「世界ふしぎ発見!」。4月には放送開始時から司会を務めた草野仁が降板し、「ゴゴスマ」(TBS系)のMCでおなじみの石井亮次に交代したが、来年3月でレギュラー放送を終了することが10月6日に同局から発表された。

 番組リニューアルからわずか半年で事実上の「打ち切り」を発表した形で、一部メディアは「視聴率の低迷が番組終了の原因」とも伝えている。だが、業界内では「石井アナはむしろよくやっていた」と擁護する声も聞かれる。

「ビデオリサーチ社が発表する週間視聴率ランキングでは、クイズ番組などを含む『その他娯楽番組』部門の上位10番組が公表されているのですが、リニューアル後、同番組はランクインしなくなってしまった。ただし、番組の視聴率低迷は今に始まった話ではなかったのです」(元番組制作会社勤務の週刊誌記者)

 以前は10%台半ばの高視聴率を常にキープしていたが、近年は苦戦していたという。司会者交代で復活できるほど甘くはなかったようだ。加えて、こんな指摘も内外からされていた。

「今年1月、従来の個人戦方式を廃止し、出演者たちが話し合って1つの回答を出す形にしましたが、評判は悪かった。さらに、石井アナに交代後も草野アナが『クイズマスター』という解説役のような立場で登場していました。そのせいか番組内容の改革が中途半端な印象になってしまいました」(前出・記者)

 ネット上では《リニューアルという名の改悪が番組を打ち切りに追いやった》《最後にここまで迷走した長寿番組も珍しい》など厳しい声が飛んでいる。だが、《現在90歳の黒柳(徹子)さんが元気なうちに番組から卒業させることができるのはいいこと》と放送終了に対して前向きなコメントもある。

「世界ふしぎ発見は日立グループの1社提供でしたが、リニューアルが不発に終わったことでスポンサーサイドがしびれを切らしたとも言われます。ただし、今回終了するのはあくまでレギュラー放送。今後は特番として番組改編期などに不定期で放送される見込みです」(前出・記者)

 長寿番組にとってマンネリ化や出演者の高齢化は大きな課題。人気クイズ番組として一時代を築いた同番組もその宿命に抗うことはできなかったのかもしれない。

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